部品定格

部品定格

テキサス・インスツルメンツ (TI) は、半導体の品質と信頼性に関する各種規格の重要性を理解しています。この考え方を理解して、TI の部品定格を使用すると、各種業界規格との整合性があるパーツをより簡単に見つけることができます。

定格の説明

定格
説明と対象アプリケーション
カタログ     TI は大半の部品をカタログ製品として分類しており、自社の品質規格との整合性のある形でリリースしています。
車載 車載分類のパーツは車載アプリケーション向けの設計を採用しており、AEC (Automotive Electronics Council:車載電子部品評議会)-Q100、AEC-Q101、または他の車載規格への適合に役立ちます。詳細については、製品のデータシートをご覧ください。
エンハンスド製品 TI は、航空宇宙と防衛の各アプリケーションでの使用を想定して、エンハンスド製品 (enhanced product:EP) を分類しています。TI のプラスチック パッケージ封止エンハンスド製品 (-EP) 製品ラインアップは、AQEC (Aerospace Qualified Electronic Component:航空宇宙認証電子部品) 規格の認証済みで信頼性の高い市販製品を取り揃えています。詳細については、『エンハンスド製品セレクション ガイド (Enhanced Product Selection Guide)』と『QML のフロー、その重要性、ロット情報の取得 (QML Flow, Its Importance, and Obtaining Lot Information)』をご覧ください。
軍用 TI のミリタリー分類パーツは、防衛や航空宇宙用途の電子機器に最適です。この分類は、各種電子システム内での使用を想定して、マイクロ電子機器デバイスに対する一様な方式、制御、手順、試験を踏まえて開発を実施したものです。これらの試験の中には、軍事行動の際に遭遇する可能性のある自然の要素や条件がもたらす有害な影響への耐性を判断するための基本的な環境試験もあります。各製品が 『Military Performance Specification MIL-PRF-38385 (qualified manufacturers list [QML] Class Q and Class N)』 (ミリタリー性能仕様 MIL-PRF-38535 (認証取得済みメーカー リスト [QML] Class Q と Class N)) に適合しているかどうかについては、データシートをご覧ください。
宇宙 TI は、宇宙用エレクトロニクス アプリケーションでの用途向けに認証済みの宇宙用パーツまたは宇宙グレードのパーツを提供しています。TI の製品ラインアップは、QML Class V または同様の水準に達する、放射線耐性保証の IC (集積回路) または耐放射線特性 IC を取り揃えています。これらは、宇宙用エレクトロニクス市場に対する TI の長期的な取り組みを例示しています。詳細については、『エレクトロニクスの放射線ハンドブック (Radiation Handbook for Electronics)』と『宇宙用強化プラスチック製品による低軌道ミッションのリスク低減 (Reduce the Risk in Low-Earth Orbit Missions with Space Enhanced Plastic Products)』をご覧ください。
高温                         TI の高温動作パーツは、エレクトロニクス システム内で極端な温度に耐えることができます。高温動作製品のパッケージとして、セラミック (210℃)、高温対応プラスチック (175℃)、KGD (Known Good Die:品質保証のベア ダイ) が入手できます。

パーツの分類

定格
カタログ
車載
エンハンスド製品 (Enhanced product:EP)
軍用
宇宙
分類
商用
AEC-Q100
エンハンスド製品 (Enhanced product:EP)
QML-Q
宇宙用 EP
SHP
QML-P
QML-Y
QML-V
量産テストと資料が入手可能 ベンダー品目の図面 (VID)
yes
yes
yes
標準マイクロ回路図 (Standard microcircuit drawing:SMD)
yes
yes
yes
yes
プロセス適合性レポート (Processing conformance report:PCR)
yes
yes
yes
yes
yes
yes
プロセス適合性レポートの内容
MIL-PRF-38535 Group A、B、C、D
製品ページをご覧ください
MIL-PRF-38535 Group A、B、C、D、E
製造 単一の制御されたベースライン
yes
yes
yes
yes
yes
yes
yes
1 つのリールに複数のウェハー ロットを取り付けてよいか?
yes
yes
yes
ウェハー ロットごとの寿命テスト
yes
yes
yes
yes
パッケージ パッケージの構造 プラスチック プラスチック プラスチック 密封 プラスチック プラスチック オーバーモールド加工済みのプラスチック ワイヤボンド、またはフリップ チップ
オーバーモールド加工のないプラスチック フリップ チップ 密封
ワイヤ ボンド Au/Cu
Au/Cu
Au Al Au Au Au N/A Al
純物質の錫 (Sn) リード仕上げは入手可能か?
yes
yes
パッケージ内で 97% を上回る錫 (Sn) は入手可能
yes
yes
フリップ チップ フリップ チップ
量産時のバーンインが必須 最適化が DLA (Defense Logistics Agency:米国の国防兵站局) 適合でない場合はバーンイン
yes
yes
yes
yes
ASTM E595 に準拠した気体排出試験済み
yes
yes
yes
yes
該当なし
放射 TID (累積電離線量効果) 特性範囲 [krad(Si)] 30~50
50~300
TID 放射線ロット受け入れ試験 (radiation lot acceptance testing:RLAT) 範囲 - RHA (放射線耐性保証) (krad/Si)
20、30、または 50
50、100、または 300
SEL (単一事象ラッチアップ) 耐性 (MeV*cm2/mg)
≧ 43 ≧ 60
標準的な温度範囲
-40~+85°C
-40~+125℃ -55~+125°C
-55~+125°C
-55~+125°C
-55~+125°C
-55~+125°C
-55~+125°C
-55~+125°C

表に、各分類定格の代表値を示します。高精度のデータまたは詳細情報については、製品固有のページをご覧ください。

定義:

SMD = 標準マイクロ回路図 (Standard microcircuit drawing)
VID = ベンダ品目の図 (Vendor item drawing)
QML = 認証取得済みメーカー リスト (Qualified manufacturers list)
TID = 累積電離線量効果 (Total ionizing dose:トータル ドーズ効果)
SEL = 単一事象ラッチアップ (Single-event latch-up)
RHA = 放射線耐性保証 (Radiation Hardness Assured)

部品レベルの定格と製品レベルの定格の対比について理解する

TI では、「注文可能な型番」と呼ぶ、自社部品の定格を設定しています。TI.com は、各製品ページ内で多数の製品をグループ化しています。単一の製品ページ内に、複数の定格が割り当てられているパーツがある場合、TI で適切な定格をすべて示し、該当する場合はパーツ レベルの適切な定格を明確にします。