JAJSID4B November 2019 – May 2021 DRV8899-Q1
PRODUCTION DATA
DRV8899-Q1 はバイポーラ・ステッピング・モータ用の高集積モータ・ドライバ・ソリューションです。このデバイスは、2 個の N チャネル・パワー MOSFET H ブリッジ、内蔵電流検出機能、レギュレーション回路、およびマイクロステッピング・インデクサを統合しています。DRV8899-Q1 は 4.5~45V の電源電圧範囲で動作し、ピーク時で最大 1.7A、フルスケールで最大 1A、実効値 (RMS) で最大 0.7A の出力電流を供給できます。実際のフルスケールおよび RMS 電流は、周囲温度、電源電圧、PCB の熱性能に依存します。
本デバイスは、内蔵型電流検出アーキテクチャを採用しており、2 つの外部電流検出シャント抵抗が不要になっています。このアーキテクチャでは、電流検出に電流ミラー手法と内部パワー MOSFET を使うことで、検出抵抗での電力消費をなくしています。電流レギュレーションの設定点は VREF ピンの電圧で調整できます。このため、外付け部品のコスト、プリント基板 (PCB) のサイズ、システムの消費電力を低減できます。
シンプルな STEP/DIR インターフェイスにより、外部コントローラからステッピング・モータの方向とステップ速度を制御できます。内部インデクサを使うと、巻線電流レベルを制御する外部コントローラを使わなくても高精度のマイクロステッピングを実行できます。このインデクサは、フルステップ、ハーフステップ、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256 マイクロステッピングを実行できます。標準のハーフステップ・モードに加えて、非真円ハーフステップ・モードを利用して、モータの RPM が高いときにトルク出力を増大させることもできます。
電流レギュレーションは、複数の減衰モードに構成できます。減衰モードは、低速 - 混合、混合減衰、スマート・チューン・リップル制御、またはスマート・チューン・ダイナミック減衰電流レギュレーション方式のいずれかを選択できます。低速 - 混合減衰モードでは、ステップの増加時には低速減衰を、ステップの減少時には混合減衰を使用します。スマート・チューン減衰モードでは、最適な電流レギュレーション性能が得られるように自動調整を行い、モータのばらつきと経年変化の影響を補償します。スマート・チューン・リップル制御では、オフ時間可変型のリップル制御方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑えることができます。スマート・チューン・ダイナミック減衰では、オフ時間固定のダイナミック減衰率方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑え、周波数成分も最小化できます。
本デバイスは、内蔵デジタル発振器と内蔵チャージ・ポンプのための拡散スペクトラム・クロック処理機能を備えています。この機能と出力スルーレート制御を組み合わせることで、本デバイスからの放射妨害波を最小化できます。
トルク DAC 機能により、コントローラは VREF 基準電圧のスケーリングを必要とせずに出力電流をスケーリングできます。トルク DAC はデジタル入力ピンから利用できるため、高い出力トルクが不要なときにモータの消費電流を抑えることで、コントローラはシステムの電力消費を削減できます。
また、低消費電力スリープ・モードを備えているので、モータをアクティブに駆動していないときにシステムの電力を節約できます。