JAJA713D November   2009  – November 2022 LM2577 , LM2585 , LM2586 , LM2587 , LM2588 , LMR61428 , LMR62014 , LMR62421 , LMR64010 , TL1451A , TL5001 , TL5001A , TLV61220 , TPS40210 , TPS40211 , TPS43000 , TPS61000 , TPS61002 , TPS61005 , TPS61006 , TPS61007 , TPS61010 , TPS61012 , TPS61013 , TPS61014 , TPS61015 , TPS61016 , TPS61020 , TPS61021A , TPS61024 , TPS61025 , TPS61026 , TPS61027 , TPS61028 , TPS61029 , TPS61029-Q1 , TPS61030 , TPS61031 , TPS61032 , TPS61046 , TPS61070 , TPS61071 , TPS61072 , TPS61073 , TPS61085 , TPS61086 , TPS61087 , TPS61088 , TPS61089 , TPS61090 , TPS61091 , TPS61092 , TPS61093 , TPS61093-Q1 , TPS61097-33 , TPS61100 , TPS61107 , TPS61120 , TPS61121 , TPS61122 , TPS61131 , TPS61170 , TPS61175 , TPS61175-Q1 , TPS61200 , TPS61201 , TPS61202 , TPS61220 , TPS61221 , TPS61222 , TPS61230A , TPS61235P , TPS61236P , TPS61240 , TPS61241 , TPS61253 , TPS61254 , TPS61256 , TPS61258 , TPS61259 , TPS612592 , TPS61291 , TPS65070 , TPS65072 , TPS65073 , TPS65100 , TPS65100-Q1 , TPS65101 , TPS65105 , TPS65130 , TPS65131 , TPS65131-Q1 , TPS65132 , TPS65132S , TPS65133 , TPS65137 , TPS65140 , TPS65140-Q1 , TPS65141 , TPS65142 , TPS65145 , TPS65145-Q1 , TPS65150 , TPS65150-Q1 , TPS65154 , TPS65155 , TPS65160 , TPS65160A , TPS65161 , TPS65161A , TPS65161B , TPS65162 , TPS65163 , TPS65167A , TPS65168 , TPS65170 , TPS65175 , TPS65175B , TPS65175C , TPS65176 , TPS65177 , TPS65177A , TPS65178 , TPS65631 , TPS65631W , TPS65632 , TPS65632A , TPS65640 , TPS65642 , TPS65642A , UCC39411

 

  1.   昇圧コンバータの電力段に関する基本的な計算
  2. 昇圧コンバータの基本構成
    1. 1.1 電力段に必要なパラメータ
  3. 最大スイッチ電流の計算
  4. インダクタの選択
  5. 整流ダイオードの選択
  6. 出力電圧設定
  7. 入力コンデンサの選択
  8. 出力コンデンサの選択
  9. 昇圧コンバータの電力段を計算する式
  10. 関連資料
  11. 10改訂履歴

最大スイッチ電流の計算

スイッチ電流を計算する最初の手順は、最小入力電圧に対するデューティ・サイクル D を決定することです。ここで最小入力電圧を使用するのは、このときスイッチ電流が最大になるためです。

Equation1. GUID-AFDB9807-F6CA-434F-A243-22A8AF06DC96-low.gif

VIN(min)=最小入力電圧
VOUT=目的の出力電圧
η=コンバータの効率 (例:推定値 80%)

コンバータは消費されるエネルギーも供給する必要があるため、デューティ・サイクルの計算には効率が追加されます。この計算により、効率係数を使用しない場合の式よりも現実的なデューティ・サイクルが得られます。

推定の係数として、たとえば 80% を使用するか (昇圧コンバータのワーストケース効率としては非現実的な数値ではありません)、選択したコンバータのデータシートの「代表的特性」セクションに記載されている数値を調べてください
(関連資料 3 および 4)。

最大スイッチ電流を計算する次の手順は、インダクタのリップル電流を決定することです。コンバータのデータシートでは一般に、IC で使用するために特定の、または一連のインダクタが指定されています。したがって、推奨されるインダクタの値を使用してリップル電流を計算するか、推奨される範囲の中央をインダクタの値にするか、データシートに値が記載されていない場合は、このアプリケーション・ノートの「インダクタの選択」セクションで計算した値を使用します。

Equation2. GUID-4BFCC9BA-24CC-4E0D-9DB6-AAE51C7C0B90-low.gif

VIN(min)=最小入力電圧
D=Equation1 で計算されたデューティ・サイクル
fS=コンバータの最小スイッチング周波数
L=選択したインダクタの値

次に、選択した IC が最大出力電流を供給できるかどうかを判定する必要があります。

Equation3. GUID-F8776B17-5922-4FD7-B2A0-17862CFCC0BA-low.gif

ILIM(min)=内蔵スイッチの電流制限の最小値 (データシートに記載)
ΔIL=Equation2 で計算されたインダクタ・リップル電流
D=Equation1 で計算されたデューティ・サイクル

選択した IC の最大出力電流の計算値 IMAXOUT が、システムで必要とされる最大出力電流を下回っている場合は、より高いスイッチ電流制限を持つ別の IC を使用する必要があります。

IMAXOUT の計算値が必要な値よりわずかに小さい場合のみ、選択した IC をインダクタンスの大きいインダクタとともに使用できますが、そのインダクタンスは推奨範囲内の必要があります。インダクタンスが大きいほどリップル電流が減少するため、選択した IC での最大出力電流が増加します。

計算値がアプリケーションの最大出力電流を上回っている場合、システムの最大スイッチ電流は次の式で計算されます。

Equation4. GUID-4E6C0444-1826-48AB-8F69-7A46B8A12974-low.gif

ΔIL=Equation2で計算されたインダクタ・リップル電流
IOUT(max)=アプリケーションで必要な最大出力電流
D=Equation1 で計算されたデューティ・サイクル

インダクタ、内蔵スイッチ、外付けダイオードは、このピーク電流に耐える必要があります。