JAJA718A august   2022  – may 2023 DRV5032 , TMAG5131-Q1 , TMAG5170 , TMAG5170-Q1 , TMAG5170D-Q1 , TMAG5173-Q1 , TMAG5273

 

  1.   1
  2.   概要
  3. 1機械式ノブとロータリー・エンコーダの問題点
  4. 2回転検出用のホール効果センサ
  5. 3磁気ダイヤルの設計上の考慮事項
  6. 4まとめ
  7. 5リファレンス

機械式ノブとロータリー・エンコーダの問題点

ヒューマン・マシン・インターフェイス (HMI) システムにダイヤルを実装する場合、一般的にはポテンショメータまたはロータリー・エンコーダを使用します。いずれのシステムにも内部接点があり、接点の変化によって回転信号を出力します。

ポテンショメータには、抵抗性素子と、素子に沿って移動するスライド式の接点があります。ポテンショメータの回転に応じて抵抗が変化するため、回転の変化を判定できます。ポテンショメータは比較的低価格で、実装に必要な接点は一般にわずか 3 つです。

ロータリー・エンコーダは、絶対角度または増分角度の変化を測定します。電気機械式ロータリー・エンコーダは、プリント基板上のトラックと、エンコーダの回転に応じて移動する接点ブラシを使用して構築されています。ロータリー・エンコーダは、電気機械式と非接触型のどちらの検出システムにも実装できるため、技術の違いが原因でコストにばらつきが生じます。

ただし、ポテンショメータと電気機械式ロータリー・エンコーダのどちらにも、磨耗や破損という大きな問題があります。接点が他の電気的要素の上を移動するうちに、時間の経過に伴って接点が破損することがあります。その結果、性能の低下や、最終的には動作の停止に至ります。何らかの機能が失われると、電気機械式ロータリー・エンコーダやポテンショメータを搭載した製品の修理または交換が必要になります。磁気、誘導性、または光学方式を使用して回転検出を実行すれば、製品寿命の短縮をもたらす故障の原因となる箇所は減りますが、追加の部品が必要になるため、実装コストが高くなります。磁気式の回転検出では、回転の変化を判定するための磁石とセンサが必要になります。そのための選択肢の 1 つは、磁界の強度を測定するホール効果センサです。