JAJA898 June 2025 TDA4VM
TI の TDA4x Jacinto デバイスは、オクタル シリアル ペリフェラル インターフェイス (OSPI) フラッシュメモリ、eMMC、ユニバーサル非同期送受信機 (UART) などのさまざまなメディアからのブートをサポートしています。電源投入後、マイコン ユニット (MCU) の ROM コードは、通常は物理的に設定されたブート モードの構成を読み取ることで、ブート シーケンスを開始します。この設定に基づいて、ROM コードはアクセスすべきブート メディアを判断し、必要なブート イメージの取得を行います。
デフォルトでは、ROM コードはまずプライマリのブート メディアからイメージの読み込みを試みます。プライマリのブート イメージが有効で、整合性および認証チェックに合格した場合、システムはこれらのイメージを使用して正常にブートします。ただし、プライマリのブート イメージが存在しない場合や破損している場合、ROM コードは自動的にバックアップのブート メディアによるブートを試みます。バックアップ メディアによるブート処理も、プライマリと同じ手順および検証ステップに従って実行されます。このデュアル パスのブート機構により、システムは 2 回のブート機会を持つことになり、特に ADAS アプリケーションで重要となる全体的な信頼性と耐障害性が大幅に向上します。ハイレベルのブート シーケンスはこのプロセスに従います。
このプロセスにより、冗長なブート機能が提供され、イメージの破損やアップデート失敗時にも堅牢なリカバリが可能になります。
このアプリケーション ノートの以下のセクションでは、物理的なブート モードの切り替えや複数のメモリデバイスを使用することなく、単一の eMMC デバイスを用いて冗長ブート機構を構成する方法について説明します。