JAJAA29 September   2025 TMUX1575 , TMUX4827 , TMUX7612 , TS5A22362 , TS5A22364

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2THD とは
  6. 3THD +N とは
  7. 4マルチプレクサの THD(+N)
    1. 4.1 マルチプレクサの THD(+N)についての理解
  8. 5低 THD マルチプレクサアプリケーション
  9. 6低 THD マルチプレクサデバイスの推奨事項
  10. 7まとめ
  11. 8参考資料

はじめに

オーディオ機器、計測システム、通信機器においては、信号が可能な限り正確に再現されていることを確認することが重要です。ハイファイスピーカーの設計、敏感なラボ機器のキャリブレーション、クリアなデータ伝送などで、歪みやノイズが性能を低下させる可能性があります。ここで、全高調波歪(THD)や全高調波歪 + ノイズ(THD + N)などの指標が登場します。THD は、元の信号には存在しなかった高調波成分をシステムがどの程度導入するかを測定します。THD +N にはこの歪みとノイズ増加の両方が含まれるため、より広範な性能指標となり、実際の性能をより正確に示すことができます。

THD レベルが高くなるほど、出力の歪みや劣化が大きくなり、オーディオアプリケーションにおいて、マフラー音や雑音など、望ましくないアーティファクトの原因になる可能性があります。低 THD は、性能を低下させる可能性のある干渉を発生させずに、システムに元の信号を正確に再現させることができます。医療機器やテスト、計測用 DAC や ADC などの重要なアプリケーションでは、わずかな歪みが必要な精密測定に大きな悪影響を与える可能性があります。デバイスの THD 性能は、コンポーネントの評価と比較を行い、システム内のクリーンで信頼性の高い信号出力を確実に実現するのに役立ちます。