JAJAAA3 November   2025 BQ76972 , TMP61

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2BQ769x2 温度測定システム
  6. 3サーミスタ測定チャネルを拡張するためのマルチプレクサ
  7. 4TMP6x を用いた温度の計算
  8. 5温度精度の改善
    1. 5.1 マルチプレクサの選定
    2. 5.2 サーミスタ端子のコンデンサ
    3. 5.3 固定抵抗の較正
    4. 5.4 テスト結果
  9. 6まとめ
  10. 7参考資料

BQ769x2 温度測定システム

BQ769x2 デバイスは、マルチファンクション端子 (TS1、TS2、TS3、CFETOFF、DFETOFF、ALERT、HDQ、DCHG、DDSG) を使用して、最大 9 個の外付けサーミスタをサポートできます。これら 9 つの端子はすべて、内部マルチプレクサを介して 1 つの内部プルアップ抵抗に接続されているため、一度に電流を引き込むサーミスタは 1 つだけとなります。これにより、複数のサーミスタを使用する場合でも、最小限の消費電力で動作できます。

内部プルアップ抵抗は 18kΩ または 180kΩ (または無効) の 2 つのオプションから選択できるようになっています。抵抗値は工場出荷時の製造工程で測定され、温度計算時に使用するためデバイス内部に保存されています。図 2-1 は、BQ769x2 の温度測定システムのブロック図を示しています。

 BQ769x2 温度測定システム図 2-1 BQ769x2 温度測定システム

サーミスタ入力として設定された端子の温度は、温度モデルレジスタに特定の係数を書き込んで BQ769x2 の内部多項式を使用して計算するか、ホストマイコンが測定電圧の生データを読み取って計算することで求めることができます。

電圧の生データは、図 2-2 に示すように、複数の測定スロットで構成された連続的な反復測定ループ内で取得されます。

 BQ76972 の通常モード測定ループ図 2-2 BQ76972 の通常モード測定ループ

各測定ループ (ADCSCAN) には、最大 21 の測定スロットが含まれます。最後の 3 つのスロットは、端子がサーミスタ入力または ADCIN に設定されている場合にのみ、マルチファンクション端子の測定に使用されます。9 つの端子 (サーミスタ入力または ADCIN に設定されている場合) は、CFETOFF、DFETOFF、ALERT、TS1、TS2、TS3、HDQ、DCHG、DDSG の順に測定されます。この測定シーケンスは、完全なデータを 1 回の FULLSCAN サイクルとして取得するために 3 回の測定ループを要します。tmeas スロット時間のデフォルト値は 3ms ですが、[FASTADC] ビットを設定することで 1.5ms に短縮できます。ただし、その場合は変換分解能が低下します。1 回の ADCSCAN は 31.5ms (FASTADC = 1) または 63ms (FASTADC = 0) かかるため、1 回の FULLSCAN は 94.5ms (FASTADC = 1) または 189ms (FASTADC = 0) かかります。内部温度多項式は 250ms ごとに計算されます。