JAJAAA3 November   2025 BQ76972 , TMP61

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2BQ769x2 温度測定システム
  6. 3サーミスタ測定チャネルを拡張するためのマルチプレクサ
  7. 4TMP6x を用いた温度の計算
  8. 5温度精度の改善
    1. 5.1 マルチプレクサの選定
    2. 5.2 サーミスタ端子のコンデンサ
    3. 5.3 固定抵抗の較正
    4. 5.4 テスト結果
  9. 6まとめ
  10. 7参考資料

固定抵抗の較正

TMP61 の抵抗値は −40 〜 125°C の温度範囲で 6kΩ から 18kΩ に変化し、これに対応する電圧は 0.45〜0.9V となります。この測定電圧範囲は、−0.2 〜 5.5V の ADC 入力範囲と比較して狭いため、ADC に起因する誤差の差は大きくありません。

サーミスタ端子の一方に接続された固定抵抗は、ADC の誤差を較正するために使用できます。より高い精度を得るためには、低抵抗許容差および低温度係数の抵抗を推奨します。

本書では、異なる固定抵抗値を使用した場合の、実測電圧と理論電圧の誤差を評価しており、その結果を 表 5-1 に示します。

表 5-1 固定抵抗による ADC 誤差
測定電圧抵抗理論電圧電圧誤差
508.18mV6796Ω510.38mV2.20mV
687.82mV11006Ω690.28mV2.46mV
896.25mV17960Ω898.45mV2.20mV

各測定における ADC 誤差は大きく変わりません。そのため、各測定に対して同じ ADC 誤差を加えることで、測定電圧を較正できます。