JAJT469 April   2025 LM5066I

 

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  2. はじめに
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  4. 48V AI サーバー向けのホット スワップ回路を設計する際の課題
  5. 課題 1:出力短絡時のターンオフ遅延
  6. 課題 2:負荷過渡中の誤ったゲート ターンオフ
  7. 課題 3:制御 (低速) ターンオン時の並列共振
  8. 推奨される回路の拡張機能
  9. ターンオフ応答の改善
  10. 動的負荷での誤ったターンオフの克服
  11. 10寄生的発振の減衰
  12. 11設計ガイドラインおよび部品選定
  13. 12Cdv/dt 放電回路
  14. 13まとめ
  15. 14参考資料
  16. 15関連ウェブサイト

課題 2:負荷過渡中の誤ったゲート ターンオフ

Cdv/dt 用のローカル PNP ベースの放電回路は、出力短絡事象時に MOSFET を確実にターンオフするのに役立ちますが、高周波で高スルーレートの負荷過渡が存在する場合には、誤ってゲート ターンオフが発生します。負荷の昇圧時には、ホット スワップ回路の入力および出力インピーダンスが有限なため、MOSFET ソース ノードの電圧が低下します。ソース ノードでの電圧降下が MOSFET の CGS キャパシタンス経由で MOSFET のゲート ノードに結合され、ゲート ノードも同様に電圧降下します。負荷の降圧中に、MOSFET ソース ノードが回復します。LM5066I ホット スワップ コントローラではゲート電流 (標準値20µA) が制限されているため、ゲート ノードは以前のレベルに完全に回復することはできません。その結果、ホット スワップ コントローラのゲートは、以後の負荷過渡サイクルでさらに降圧し続け、Q1 のベースエミッタ電圧が発生します。最後に、PNP バイポーラ接合トランジスタ Q1 がオンになり、システムを誤ってシャットダウンします。図 6 にプロセス全体を示し、図 7 に対応するテスト結果を示します。

 動的負荷に対応するホット スワップ回路図。図 6 動的負荷に対応するホット スワップ回路図。
 動的負荷に対するホット スワップ回路の応答。図 7 動的負荷に対するホット スワップ回路の応答。