JAJU870C November 2020 – June 2025 BQ25798
電源投入時、TPS25751D は I2C 経由で BQ25798 を設定し、充電電流、プリチャージ電流、終止電流、充電電圧、および制御設定を構成します。これらの初期書き込みは、Web ベースのアプリケーション カスタマイズ ツールで提供された回答に基づいて行われます。5V シンク PDO 契約がネゴシエーションされると、PD コントローラは昇降圧バッテリ充電器である BQ25798 を VIN を 5V に設定し、この特定の構成に基づいてバッテリを 1A で充電するように設定します。
図 3-8 パワー オン リセット (POR) コマンド
図 3-9 バッテリ充電 5V シンク契約の例
図 3-10 1A で 20V シンク充電同様に、20V シンクの PDO 契約がネゴシエーションされると、同じ動作が見られ、PD コントローラが今回は VIN を 20V に設定しながら、充電電流は 1A を維持しています。
図 3-11 OTG モードで BQ25798 を使用して 5V のソーシングTPS25751D がソース PDO 契約をネゴシエートするとき、デバイスは BQ25798 を OTG モードで動作するよう構成し、バッテリからポート パートナーが必要とする電力を供給できるようにします。この場合、BQ25798 はバッテリ電圧を 5V まで昇圧して、他のデバイスに電力を供給する必要があります。
図 3-12 OTG モードで BQ25798 を使用して 20V のソーシングポート パートナーと TPS25751D が TPS25751D をソースとして使用して 20V 契約をネゴシエートするときも、同じ動作が見られます。
USB Type-C PD の特長の 1 つに、電力ロールの入れ替えを実行できることがあります。図 3-13 は、電源ロールのスワップ (ソースからシンクへの切り替え) を示しています。
図 3-13 20V ソースから 20V シンクへのパワー ロール スワップTIDA-050047は最初は VBUS 上に 20V を供給します。電源ロールのスワップが開始され、ポートが電力供給を停止すると VBUS は 0V に遷移します。遠端 USB-C ポートが新しい電源になり、20V の PD 契約がネゴシエーションされ、TIDA-050047が電源シンクとして機能します。電源ロールのスワップが正常に完了すると、TPS25751D は BQ25798 を充電モードに構成します。
同様にシンクからソースへの電力の役割の入れ替えが発生する可能性がある例を図 3-14に示します。
図 3-14 20V シンクから 20V ソースへのパワー ロール スワップ