JAJSDX1 September 2017 UCC256303
PRODUCTION DATA.
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
以下にシステム状態シーケンスの概要を述べます。
状態遷移図は、UCC256303の電源が入っていない状態からスタートします。PFC出力電圧が一定レベルに達すると、LLCがオンになります。LLCが動作し始めるまでは、LOピンが高く維持されてLLCブリッジのHSノードが低く抑えられるため、HBピンとHSピンの間の容量をVCCからブートストラップ・ダイオードを経由して充電できます。UCC256303は、ブート容量がフル充電されたことを確認するため、一定の時間CHARGE_BOOT状態のままとなります。負荷が一定レベルを下回ると、LLCはバースト・モードで動作します。
異常状態が発生すると、動作を停止したり、一定時間一時停止してから自動的にリスタートします。これにより、持続的な異常状態があれば、何度もリスタートを試みるため、UCC256303や電力コンバータの温度が上昇を続けることはありません。
Table 1にFigure 38の入力と出力をまとめます。
信号名 | I/O | 説明 |
---|---|---|
OVP | I | 出力過電圧異常 |
OTP | I | 過熱異常 |
OCP1 | I | ピーク電流異常 |
OCP2 | I | 平均電流異常(2msタイマ) |
OCP3 | I | 平均電流異常(50msタイマ) |
BLKStart | I | バルク電圧が開始閾値を上回っている |
BLKStop | I | バルク電圧が停止閾値を下回っている |
BLKOV | I | バルク過電圧異常 |
RVCCUVLO | I | RVCC UVLO異常 |
VCCStartSwitching | I | VCCがスタート・スイッチング閾値を上回っている(この閾値は自己バイアス・モードと外部バイアス・モードで異なる) |
ACZeroCrossing | I | ACゼロクロスが検出された |
FBLessThanBMT | I | FBReplica電圧がバースト・モード閾値を下回っている |
WaveGenEn | O | 波形発生器がオンにする |
RVCCEn | O | RVCCイネーブル |
SSEn | O | ソフトスタートを有効にする |
ステートマシンをFigure 39に示し、各状態と状態遷移条件の説明をその下の表にまとめます。
状態 | 出力状態 | 説明 |
---|---|---|
STARTUP | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 SSEn=0 |
これはパワー・オン・リセット(POR)後の最初の状態です。VCCがVCCstartswitching閾値を上回ると、電圧が制御されたRVCCがオンになり、内部回路がトリム設定を初期化して起動することができます。 |
WAKEUP | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 SSEn=0 |
BLK電圧がBLKStartレベルに達すると、システムはWAKEUP状態に入り、アナログ回路が復帰するためにWAKEUP状態を150us間維持します。 |
CHARGE_BOOT | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 SSEn=0 |
この状態では、2次側スイッチを一定時間オンにすることにより、BOOT容量が充電されます。 |
STEADY_STATE_RUN | WaveGenEn=1
RVCCEn=1 V SSEn=1 |
この状態では、波形発生器が有効です。ソフトスタート機能が有効です。LLCがソフトスタートを開始します。ソフトスタートが完了すると、システムは通常動作に入ります。 |
LIGHT_LOAD_RUN | WaveGenEn=1
RVCCEn=1 SSEn=1 |
通常動作中にFBReplicaがバースト・モード閾値を下回ると、システムはLIGHT_LOAD_RUNモードに入ります。FBLessThanBMT時間をカウントします。この時間が200msを超えた場合には異常とみなし、システムを再起動します。 |
FAULT | WaveGenEn=0
RVCCEn=0 SSEn=0 |
異常状態が生じた後、システムはFAULT状態に入り、1秒経ってからリスタートします。1秒タイマにより、システムがクールダウンできるため、持続的異常の場合に何度も起動を繰り返すことを防げます。 |
状態遷移条件 | 説明 |
---|---|
1 | システム準備完了(トリムの初期化完了)
VCCStartSwitching=1 BLKStart=1 BLKStop=0 BLKOV=0 RVCCUVLO=0 |
2 | BLKStart=1
BLKStop=0 BLKOV=0 RVCCUVLO=0 FBLessThanBMT=0 |
3 | 充電ブート完了 |
4 | FBLessThanBMT=1 |
5 | FBLessThanBMT=0 |
6 | VCCStartSwitching=0またはFBLessThanBMTタイムアウト |
7 | VCCStartSwitching=0 |
8 | VCCStartSwitching=0またはBLKOV=1 |
9 | VCCStartSwitching=0またはBLKOV=1 |
10 | OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1 |
11 | OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1 |
12 | OTP=1 |
13 | OTP=1 |
14 | OTP=1 |
15 | 1秒間一時停止タイムアウト |
Figure 40 は最もよく使用されている状態遷移のみを示しています(起動状態において異常がなく、すべての状態がタイミング・チャートに取り込まれていると仮定)。ステートマシンによって、さまざまな状態遷移が発生しますが、この節では捕捉していません。
Figure 40に通常の起動手順を示します。システムは通常動作に入り、その後、異常(OCP、OVP、またはOTP)が発生します。
NOTE
OCP1およびOVPは高速異常であるため、まず波形発生器ステートマシンで処理されます。
1秒間一時停止した後リスタートするようにシステムを設定します。