JAJSDX1 September   2017 UCC256303

PRODUCTION DATA.  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
    1.     概略回路図
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
    1.     ピン機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱特性
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 スイッチング特性
    7. 6.7 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  ハイブリッドヒステリシス制御
      2. 7.3.2  RVCC 12V電源
      3. 7.3.3  帰還信号経路
      4. 7.3.4  オプトカプラ帰還信号入力およびバイアス
      5. 7.3.5  システム外部動作停止
      6. 7.3.6  ピック・ロワー・ブロックとソフトスタート・マルチプレクサ
      7. 7.3.7  ピック・ハイヤー・ブロックとバースト・モード・マルチプレクサ
      8. 7.3.8  VCRコンパレータ
      9. 7.3.9  共振容量電圧検知
      10. 7.3.10 共振電流検知
      11. 7.3.11 バルク電圧検知
      12. 7.3.12 出力電圧検知
      13. 7.3.13 高電圧ゲート・ドライバ
      14. 7.3.14 保護機能
        1. 7.3.14.1 ZCS領域回避
        2. 7.3.14.2 過電流保護(OCP)
        3. 7.3.14.3 過出力電圧保護(VOUTOVP)
        4. 7.3.14.4 過入力電圧保護(VINOVP)
        5. 7.3.14.5 低入力電圧保護(VINUVP)
        6. 7.3.14.6 ブートUVLO
        7. 7.3.14.7 RVCC UVLO
        8. 7.3.14.8 過熱保護(OTP)
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 バースト・モード制御
      2. 7.4.2 ソフトスタートとバースト・モード閾値
      3. 7.4.3 システム状態/異常検出ステートマシン
      4. 7.4.4 波形発生器ステートマシン
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1  LLC電力段要件
        2. 8.2.2.2  LLC利得範囲
        3. 8.2.2.3  LnとQeを選択する
        4. 8.2.2.4  等価負荷抵抗を求める
        5. 8.2.2.5  LLC共振回路の部品特性を求める
        6. 8.2.2.6  LLC 1次側電流
        7. 8.2.2.7  LLC 2次側電流
        8. 8.2.2.8  LLC変圧器
        9. 8.2.2.9  LLC共振インダクタ
        10. 8.2.2.10 LLC共振容量
        11. 8.2.2.11 LLC 1次側MOSFET
        12. 8.2.2.12 アダプティブデッドタイムの設計における考慮事項
        13. 8.2.2.13 LLC整流ダイオード
        14. 8.2.2.14 LLC出力容量
        15. 8.2.2.15 BLKピン分圧器
        16. 8.2.2.16 BWピン分圧器
        17. 8.2.2.17 ISNSピン微分器
        18. 8.2.2.18 VCRピン・分圧容量
        19. 8.2.2.19 バースト・モード設定
        20. 8.2.2.20 ソフトスタート容量
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
  9. 電源に関する推奨事項
    1. 9.1 VCC容量
    2. 9.2 ブート・キャパシタ
    3. 9.3 RVCC容量
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトの注意点
    2. 10.2 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 デバイス・サポート
      1. 11.1.1 開発サポート
        1. 11.1.1.1 WEBENCH®ツールによるカスタム設計
    2. 11.2 ドキュメントのサポート(該当する場合)
      1. 11.2.1 関連資料
    3. 11.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 11.4 コミュニティ・リソース
    5. 11.5 商標
    6. 11.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 11.7 Glossary
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
  • DDB|14
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

システム状態/異常検出ステートマシン

以下にシステム状態シーケンスの概要を述べます。

状態遷移図は、UCC256303の電源が入っていない状態からスタートします。PFC出力電圧が一定レベルに達すると、LLCがオンになります。LLCが動作し始めるまでは、LOピンが高く維持されてLLCブリッジのHSノードが低く抑えられるため、HBピンとHSピンの間の容量をVCCからブートストラップ・ダイオードを経由して充電できます。UCC256303は、ブート容量がフル充電されたことを確認するため、一定の時間CHARGE_BOOT状態のままとなります。負荷が一定レベルを下回ると、LLCはバースト・モードで動作します。

異常状態が発生すると、動作を停止したり、一定時間一時停止してから自動的にリスタートします。これにより、持続的な異常状態があれば、何度もリスタートを試みるため、UCC256303や電力コンバータの温度が上昇を続けることはありません。

UCC256303 sysblock_slusd49.gifFigure 38. システム状態/異常検出ステートマシンのブロック図

Table 1Figure 38の入力と出力をまとめます。

Table 1. システム状態/異常検出ステートマシン・ブロック図の入力と出力

信号名 I/O 説明
OVP I 出力過電圧異常
OTP I 過熱異常
OCP1 I ピーク電流異常
OCP2 I 平均電流異常(2msタイマ)
OCP3 I 平均電流異常(50msタイマ)
BLKStart I バルク電圧が開始閾値を上回っている
BLKStop I バルク電圧が停止閾値を下回っている
BLKOV I バルク過電圧異常
RVCCUVLO I RVCC UVLO異常
VCCStartSwitching I VCCがスタート・スイッチング閾値を上回っている(この閾値は自己バイアス・モードと外部バイアス・モードで異なる)
ACZeroCrossing I ACゼロクロスが検出された
FBLessThanBMT I FBReplica電圧がバースト・モード閾値を下回っている
WaveGenEn O 波形発生器がオンにする
RVCCEn O RVCCイネーブル
SSEn O ソフトスタートを有効にする

ステートマシンをFigure 39に示し、各状態と状態遷移条件の説明をその下の表にまとめます。

UCC256303 sysstate_slusd49.gifFigure 39. システム状態/異常検出ステートマシン

Table 2. システム状態/異常検出ステートマシンの各状態

状態 出力状態 説明
STARTUP WaveGenEn=0
RVCCEn=1
SSEn=0
これはパワー・オン・リセット(POR)後の最初の状態です。VCCがVCCstartswitching閾値を上回ると、電圧が制御されたRVCCがオンになり、内部回路がトリム設定を初期化して起動することができます。
WAKEUP WaveGenEn=0
RVCCEn=1
SSEn=0
BLK電圧がBLKStartレベルに達すると、システムはWAKEUP状態に入り、アナログ回路が復帰するためにWAKEUP状態を150us間維持します。
CHARGE_BOOT WaveGenEn=0
RVCCEn=1
SSEn=0
この状態では、2次側スイッチを一定時間オンにすることにより、BOOT容量が充電されます。
STEADY_STATE_RUN WaveGenEn=1
RVCCEn=1
V SSEn=1
この状態では、波形発生器が有効です。ソフトスタート機能が有効です。LLCがソフトスタートを開始します。ソフトスタートが完了すると、システムは通常動作に入ります。
LIGHT_LOAD_RUN WaveGenEn=1
RVCCEn=1
SSEn=1
通常動作中にFBReplicaがバースト・モード閾値を下回ると、システムはLIGHT_LOAD_RUNモードに入ります。FBLessThanBMT時間をカウントします。この時間が200msを超えた場合には異常とみなし、システムを再起動します。
FAULT WaveGenEn=0
RVCCEn=0
SSEn=0
異常状態が生じた後、システムはFAULT状態に入り、1秒経ってからリスタートします。1秒タイマにより、システムがクールダウンできるため、持続的異常の場合に何度も起動を繰り返すことを防げます。

Table 3. システム状態/異常検出ステートマシンの状態遷移条件

状態遷移条件 説明
1 システム準備完了(トリムの初期化完了)
VCCStartSwitching=1
BLKStart=1
BLKStop=0
BLKOV=0
RVCCUVLO=0
2 BLKStart=1
BLKStop=0
BLKOV=0
RVCCUVLO=0
FBLessThanBMT=0
3 充電ブート完了
4 FBLessThanBMT=1
5 FBLessThanBMT=0
6 VCCStartSwitching=0またはFBLessThanBMTタイムアウト
7 VCCStartSwitching=0
8 VCCStartSwitching=0またはBLKOV=1
9 VCCStartSwitching=0またはBLKOV=1
10 OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは
OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1
11 OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは
OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1
12 OTP=1
13 OTP=1
14 OTP=1
15 1秒間一時停止タイムアウト

Figure 40 は最もよく使用されている状態遷移のみを示しています(起動状態において異常がなく、すべての状態がタイミング・チャートに取り込まれていると仮定)。ステートマシンによって、さまざまな状態遷移が発生しますが、この節では捕捉していません。

Figure 40に通常の起動手順を示します。システムは通常動作に入り、その後、異常(OCP、OVP、またはOTP)が発生します。

NOTE

OCP1およびOVPは高速異常であるため、まず波形発生器ステートマシンで処理されます。

1秒間一時停止した後リスタートするようにシステムを設定します。

UCC256303 timing_slusd49.gifFigure 40. システム状態/異常検出のタイミング・チャート