JAJSJO8C March   2020  – January 2021 LMQ61460-Q1

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. 概要 (続き)
  6. デバイス比較表
  7. ピン構成および機能
  8. 仕様
    1. 8.1 絶対最大定格
    2. 8.2 ESD 定格
    3. 8.3 推奨動作条件
    4. 8.4 熱に関する情報
    5. 8.5 電気的特性
    6. 8.6 タイミング特性
    7. 8.7 システム特性
    8. 8.8 代表的特性
  9. 詳細説明
    1. 9.1 概要
    2. 9.2 機能ブロック図
    3. 9.3 機能説明
      1. 9.3.1  EN/SYNC による有効化と VIN UVLO
      2. 9.3.2  EN/SYNC ピンによる同期
      3. 9.3.3  可変スイッチング周波数
      4. 9.3.4  クロックのロック
      5. 9.3.5  PGOOD 出力動作
      6. 9.3.6  内部 LDO、VCC UVLO、BIAS 入力
      7. 9.3.7  ブートストラップ電圧と VCBOOT-UVLO (CBOOT ピン)
      8. 9.3.8  調整可能な SW ノードのスルーレート
      9. 9.3.9  スペクトラム拡散
      10. 9.3.10 ソフトスタートとドロップアウトからの回復
      11. 9.3.11 出力電圧設定
      12. 9.3.12 過電流および短絡保護
      13. 9.3.13 サーマル・シャットダウン
      14. 9.3.14 入力電源電流
    4. 9.4 デバイスの機能モード
      1. 9.4.1 シャットダウン・モード
      2. 9.4.2 スタンバイ・モード
      3. 9.4.3 アクティブ・モード
        1. 9.4.3.1 CCM モード
        2. 9.4.3.2 自動モード – 軽負荷動作
          1. 9.4.3.2.1 ダイオード・エミュレーション
          2. 9.4.3.2.2 周波数低減
        3. 9.4.3.3 FPWM モード - 軽負荷動作
        4. 9.4.3.4 最小オン時間 (高入力電圧) での動作
        5. 9.4.3.5 ドロップアウト
  10. 10アプリケーションと実装
    1. 10.1 アプリケーション情報
    2. 10.2 代表的なアプリケーション
      1. 10.2.1 設計要件
      2. 10.2.2 詳細な設計手順
        1. 10.2.2.1  スイッチング周波数の選択
        2. 10.2.2.2  出力電圧の設定
        3. 10.2.2.3  インダクタの選択
        4. 10.2.2.4  出力コンデンサの選択
        5. 10.2.2.5  入力コンデンサの選択
        6. 10.2.2.6  ブート・コンデンサ
        7. 10.2.2.7  ブート抵抗
        8. 10.2.2.8  VCC
        9. 10.2.2.9  BIAS
        10. 10.2.2.10 CFF と RFF の選択
        11. 10.2.2.11 外部 UVLO
      3. 10.2.3 アプリケーション曲線
  11. 11電源に関する推奨事項
  12. 12レイアウト
    1. 12.1 レイアウトのガイドライン
      1. 12.1.1 グランドと熱に関する考慮事項
    2. 12.2 レイアウト例
  13. 13デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 13.1 ドキュメントのサポート
      1. 13.1.1 関連資料
    2. 13.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 13.3 サポート・リソース
    4. 13.4 商標
    5. 13.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 13.6 用語集
  14. 14メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

ソフトスタートとドロップアウトからの回復

本デバイスは、起動中の出力電圧のオーバーシュートと大きな突入電流を防止するため、基準電圧を使ったソフトスタートを採用しています。ソフトスタートは、以下のいずれかの条件によってトリガされます。

  • 本 IC の VIN ピンに電力が供給され、UVLO が解除された。
  • 本デバイスをオンにするために EN が使われた。
  • ヒカップ待機期間から回復した。
  • 過熱保護によるシャットダウンから回復した。

ソフトスタートがトリガされると、本 IC は以下の動作を実行します。

  • 出力電圧を制御するために本 IC が使用する基準電圧が、ゆっくりと上昇する。その結果、出力電圧が tSS の時間をかけて目的の値の 90% に達します。
  • 動作モードが自動的に設定され、ダイオード・エミュレーションを有効化する。これにより、電圧がすでに出力されていても、出力を Low にすることなく起動できます。

これらの動作を組み合わせることで、突入電流を制限しながら起動でき、また、起動時に、電流制限値に近い電流を生じさせる大きな出力コンデンサと重い負荷条件を、ヒカップをトリガすることなく使用できます。#T4915986-76 を参照してください。

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ソフトスタートは、出力電圧が 0V から始まる場合 (左側の図) とすでに電圧が出力されている場合 (右側の図) の両方で動作します。どちらの場合も出力電圧は、ソフトスタート開始から tSS 後、目標値との誤差が 10% 以内の範囲に達する必要があります。ソフトスタート中、FPWM とヒカップは無効化されます。出力がレギュレーションに達した時点と tSS2 が経過した時点のどちらか早い方で、ヒカップと FPWM は両方とも有効化されます。
図 9-8 ソフトスタート動作

出力電圧の低下が数 % を超えると常に、出力電圧はゆっくり上昇します。この条件はドロップアウトからの回復と呼ばれ、ソフトスタートとは以下の 3 つの重要な点で異なります。

  • 基準電圧は、現在の出力電圧を実現するために必要な値よりも約 1% 高い値に設定される。
  • 出力電圧がその設定点の 0.4 倍未満である場合、ヒカップが許可される。ドロップアウト・レギュレーション自体の間、ヒカップは禁止されることに注意します。
  • ドロップアウトからの回復中、FPWM モードが許可される。外部電源によって出力電圧が突然プルアップされた場合、本デバイスは出力をプルダウンする場合があります。

ドロップアウトからの回復と呼ばれているにもかかわらず、出力電圧が設定点よりも数 % 低くなると常に、この機能が作動します。これは主に、以下の条件で発生します。

  • ドロップアウト:目的の出力電圧を生成するのに十分な入力電圧がない場合
  • 過電流:ヒカップをトリガするほどの大きさではない過電流イベントが発生した場合
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出力電圧の低下が、高負荷と低入力電圧のどちらによるものであっても、出力がその設定点を下回る原因となっている条件が解消され次第、起動時と同じ速度で出力は上昇します。ドロップアウトが原因でヒカップがトリガされなかったとしても、128 クロック・サイクル以上にわたって出力電圧が出力設定点の 0.4 倍を下回った場合、原則として、回復中にヒカップがトリガされます。
図 9-9 ドロップアウトからの回復
GUID-112A7DDF-9FB1-4C58-B161-21F0064F5FC8-low.gif図 9-10 ドロップアウトからの回復 (VOUT = 5V、IOUT = 4A、VIN = 13.5V → 4V → 13.5V)