JAJA812 January   2024 AWR1843 , AWR2544 , AWR2944 , AWR2944P

 

  1.   1
  2.   概要
  3. 1はじめに
  4. 2ADAS レーダー市場のトレンドと要件の進化
  5. 3AWR2E44P と AWR2944P の性能、処理能力、メモリの拡張
    1. 3.1 信号対雑音比 (SNR) の改善
    2. 3.2 TI の第 2 世代立体配置パッケージ技術 (LOP)
    3. 3.3 計算能力の向上
    4. 3.4 レーダー データ キューブ用の拡張メモリ
    5. 3.5 1Gbps イーサネット インターフェイス
    6. 3.6 強化されたセキュリティと信頼性
    7. 3.7 eBOM の最適化
  6. 4ソフトウェアの拡張性と再利用性に妥協する必要はありません
    1. 4.1 ソフトウェア開発キット
    2. 4.2 マイコン抽象化層
    3. 4.3 mmWave DFP (デバイス ファームウェア パッケージ)
    4. 4.4 TI の基本的なセキュリティ
    5. 4.5 安全診断ライブラリ
  7. 5AWR2E44P の評価と測定
  8. 6まとめ
  9. 7謝辞

概要

テキサス インスツルメンツ (TI) の次世代レーダー センサ AWR2E44P および AWR2944P は、厳格な NCAP (新車評価プログラム) や FMVSS (連邦自動車安全基準) の自動運転と安全性の規制に適合するよう、性能向上に注力することで、TI の ADAS レーダー製品ラインアップを拡大します。これらのレーダー デバイスは AWR2944 プラットフォームに「高性能」拡張機能を追加し、RF と計算能力の大幅な進歩を組み込み、ADAS アプリケーションの進化ニーズに対応します。AWR2E44P と AWR2944P は最適化された社内プロセス技術を活用し、信号対雑音比の向上、処理能力の向上、大容量のメモリにより、コーナー レーダーとフロント レーダー センサの機能を強化するように設計されており、国連規則第 79 号 (UN R79) のニーズに対応します。こうした改善により、検出範囲が拡大し、角度の精度が向上します。これにより、追跡や分類のようなアプリケーションで、より洗練された処理アルゴリズムが実現できるようになります。加えて、ユーザーは信号処理アルゴリズムとレーダー認識のような演算集中型の AI/ML タスクを取り扱うことができます。

TI 独自の第 2 世代 LoP (launch-on-package:立体配置パッケージ) テクノロジーは、RF 性能をさらに強化し、各デバイスが製造の変動する状況下での堅牢性を維持しながら、コスト効率を高めています。ソフトウェア コンポーネントでサポートされる使いやすいハードウェア評価基板により、開発サイクルを短縮できます。これらの新しいレーダー デバイスは、前世代との間で後方互換性を維持しているので、移行プロセスを効率化し、リスクを最小化するとともに、開発コストの節減、安全認証に要するスケジュールの短縮に貢献します。このホワイト ペーパーは、AWR2E44P と AWR2944P の各レーダー センサが性能上の新しい基準をどのように確立することで、OEM が将来の ADAS 要件を満たす強力で信頼性の高いデバイスを実現し、ソフトウェアの再利用性やスケーラビリティに関して妥協なく自動運転能力を向上させるかを解説します。