JAJAA12A August   2024  – September 2025 OPA2990

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. はじめに
  5. 回路の説明
  6. 複数の出力レンジへの対応
  7. 抵抗のサイズ選定、M2 の選択、その他設計上の留意点
  8. モード / レンジ コントロール
  9. 電流出力の電源レベル
  10. 電圧出力の電源レベル
  11. 保護機能
  12. 測定結果
  13. 10消費電力
  14. 11誤差モンテカルロ分析
  15. 12立ち上がり時間および立ち下がり時間
  16. 13マルチチャネル出力の構築
  17. 14まとめ
  18. 15参考資料
  19. 16改訂履歴

保護機能

図 2-1の回路には独自の保護デバイス U5、TPS26614 があり、過電圧保護と過電流保護の両方を備え、自動リトライ機能を特徴としています。電流出力モードでは、出力ノードが VSS または VCCI を超えた場合にデバイスが電流経路を遮断し、出力段を逆電流から保護します。電圧出力モードでは、電流が 30mA を超えると TPS26614 が遮断し、U3 を過負荷や短絡から保護します。また、デバイスは電圧が VCCI または VSS を超えた場合にもスイッチオフすることができます。電圧出力段を適切に保護するためには、VCC と VCCI を同一に保つことが推奨されます。

出力トランジスタ M2 のゲートは、出力がオープン回路の場合に Vgs(M2) 電圧を制限するため、ツェナー D2 によって保護されています。この場合、U2 は Vg(M2) をプルダウンすることができ、選択されたトランジスタのゲート電圧動作限界の 20V を超える可能性があります。このようなイベントが発生した場合、R12 は D2 の電流を制限できます。R13 は Vg(M2) をプルアップしており、M2 が起動時に確実にオフになるようにしています。

TVS ダイオード D1 は出力ピンをサージや EFT 事象から保護し、これらの事象発生時に出力ピンの電圧を制限します。R14 は、電流を制限することで U4 の入力を保護します。R1、R6、および R9 は同様に U1 と U3 の入力を保護しており、特に未給電状態のデバイスに入力が加えられた場合に有効です。