JAJU893 june   2023 AM6442

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   リソース
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   6
  7. 1システムの説明
    1. 1.1 用語
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計上の考慮事項
    3. 2.3 主な使用製品
      1. 2.3.1  AM6442 マイクロプロセッサ
      2. 2.3.2  DP83867 ギガビット・イーサネット物理トランシーバ
      3. 2.3.3  DP83TD510E シングル・ペア・イーサネット物理トランシーバ
      4. 2.3.4  MSPM0G1107 マイクロコントローラ
      5. 2.3.5  LMK1C1106 6 チャネル出力、LVCMOS 1.8V バッファ
      6. 2.3.6  LMK6C 低ジッタ、高性能のバルク弾性波 (BAW) 固定周波数 LVCMOS 発振器
      7. 2.3.7  TLVM13630 高密度、3V~36V 入力、1V~6V 出力、3A 降圧パワー・モジュール
      8. 2.3.8  LM74700-Q1 逆極性保護の理想ダイオード
      9. 2.3.9  TPS62825A 同期整流降圧 DC/DC コンバータ
      10. 2.3.10 LMR36006 超小型同期整流降圧コンバータ
      11. 2.3.11 TLV62568A 強制 PWM 搭載、高効率降圧型コンバータ
  9. 3システム設計理論
    1. 3.1 電源サブシステム
    2. 3.2 AM6442 システム・オン・モジュール・サブシステム
    3. 3.3 イーサネット・サブシステム
    4. 3.4 データ・ライン経由の電力供給 (PoDL) サブシステム
    5. 3.5 追加のサブシステム
      1. 3.5.1 USB 3.1 インターフェイス
      2. 3.5.2 Micro SD カード・インターフェイス
      3. 3.5.3 SimpleLink CC3301 Wi-Fi 6 および Bluetooth Low Energy BoosterPack インターフェイス
      4. 3.5.4 AM6442 UART インターフェイス
  10. 4ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 4.1 ハードウェア要件
      1. 4.1.1 ボード・インターフェイス
        1. 4.1.1.1 ブート・スイッチの構成
        2. 4.1.1.2 リファレンス・デザインの起動
    2. 4.2 ソフトウェア要件
      1. 4.2.1 PoDL PSE プロトコル・プログラミング
      2. 4.2.2 U-Boot と Linux を含む SD カード・イメージの作成
    3. 4.3 テスト構成と手順
  11. 5設計とドキュメントのサポート
    1. 5.1 設計ファイル
      1. 5.1.1 回路図
      2. 5.1.2 BOM
    2. 5.2 ドキュメントのサポート
    3. 5.3 サポート・リソース
    4. 5.4 商標
  12. 6著者について

設計上の考慮事項

このリファレンス・デザインでは、データ・ライン経由の電力供給 (PoDL) 機能によってリモート・センサまたはアクチュエータに電力を供給するオプションを備えた、4 つのシングル・ペア・イーサネット (SPE) 10BASE-T1L ポートのデジタル・バックの実装を示します。PoDL は IEEE802.3cg によって標準化されています。PoDL は、シリアル通信分類プロトコル (SCCP) を含めて実装されており、給電側機器 (PSE) と受電側 (PD) の間で目的の電力クラスをネゴシエートします。

PoDL と組み合わせて SPE を実装するには、データ側の設計で DP83TD510E などのイーサネット PHY が必要です。これは、メディア・アクセス・コントローラ (MAC) からシングル・ペア・イーサネット・ケーブル上のメディア依存インターフェイス (MDI) にインターフェイスを変換するためです。MAC 側では、Reduced Gigabit MII (RGMII) などのメディア独立インターフェイス (MII) が使用されます。

シングル・ペア・イーサネット・ケーブルに電力と SCCP 通信を追加するには、必要なものが 2 つあります。1 つは、ライン上で電力とデータを分離するカップリング・ネットワークで、もう 1 つは必要な通信プロトコルを追加するデバイスです。カップリング・ネットワークは周波数フィルタとみなされ、低周波成分 (特にDC) が電源部に送られ、高周波成分が PHY に送られるデータとして処理されます。この通信プロトコルは、Power over Ethernet (PoE) と同様に重要な役割を果たします。PSE は、電力を要求する PD のみに適切に電力を供給する必要があります。そうしないと、SPE に接続されている機器が損傷するおそれがあります。このリファレンス・デザインは、PoDL を搭載した 4 つの SPE ポートをサポートしていますが、SCCP 通信に必要なのは 1 つのマイクロコントローラ (MCU) だけです。

このリファレンス・デザインは AM6442 ベースのシステム・オン・モジュール (SOM) を使用しており、クラウド接続用のギガビット・イーサネット・ポートもサポートしています。Arm Cortex-A53 コアでは、Linux® オペレーティング・システム (OS) が動作します。

このリファレンス・デザインは、Joint Test Action Group (JTAG) アクセスと、絶縁型ユニバーサル・シリアル・バス (USB) - ユニバーサル非同期レシーバ / トランスミッタ (UART) インターフェイスを提供し、起動とデバッグを簡素化します。アプリケーションを保存するには、オンボードのマイクロ・セキュア・デジタル (SD) カード・コネクタ、NOR フラッシュ、または eMMC をモジュールに使用します。ブート・モード・スイッチを使用すると、どのペリフェラルから起動するかを選択できます。