ハーフブリッジ・ゲート・ドライバの性能を最適化するには、回路基板のレイアウトを十分に考慮する必要があります。以下の点が重要です。
- 低 ESR コンデンサおよび低 ESL コンデンサを GVDD ピンと GND ピンの間、および BST ピンと SH ピンの間で IC の近くに接続して、外部 MOSFET のターンオン時に GVDD と BST から引き出される大きいピーク電流に備える必要があります。
- 上側の MOSFET のドレインでの大きい電圧過渡を防止するために、低 ESR の電解コンデンサと高品質のセラミック・コンデンサを MOSFET のドレインとグランド (GND) の間に接続する必要があります。
- スイッチ・ノード (SH) ピンでの大きな負の過渡を防止するため、上側の MOSFET のソースと下側の MOSFET (同期整流器) のドレインとの間の寄生インダクタンスを最小限に抑える必要があります。
- 接地に関する注意事項:
- グランド接続を設計する際の最優先事項は、MOSFET のゲートを充電および放電する大きいピーク電流を、最小の物理的領域内に限定することです。これによって、ループのインダクタンスが小さくなり、MOSFET のゲート端子のノイズ問題が最小限に抑えられます。ゲート・ドライバは、MOSFET のできるだけ近くに配置する必要があります。
- 2 番目の考慮事項は、ブートストラップ・コンデンサ、ブートストラップ・ダイオード、ローカル・グランド基準バイパス・コンデンサ、ローサイド MOSFET ボディ・ダイオードを含む大電流パスです。ブートストラップ・コンデンサは、グランド基準 GVDD バイパス・コンデンサからブートストラップ・ダイオードを通って、サイクルごとに再充電されます。この再充電は短い時間間隔で発生し、大きなピーク電流を必要とします。回路基板上でこのループの長さと面積を最小化することは、動作の信頼性を確保する上で重要です。