JAJAAA2A October   2024  – November 2025 MSPM0C1103 , MSPM0C1103-Q1 , MSPM0C1104 , MSPM0C1104-Q1 , MSPM0C1105 , MSPM0C1106 , MSPM0C1106-Q1 , MSPM0G1105 , MSPM0G1106 , MSPM0G1107 , MSPM0G1505 , MSPM0G1506 , MSPM0G1507 , MSPM0G1518 , MSPM0G1519 , MSPM0G3105 , MSPM0G3105-Q1 , MSPM0G3106 , MSPM0G3106-Q1 , MSPM0G3107 , MSPM0G3107-Q1 , MSPM0G3505 , MSPM0G3505-Q1 , MSPM0G3506 , MSPM0G3506-Q1 , MSPM0G3507 , MSPM0G3507-Q1 , MSPM0G3518 , MSPM0G3518-Q1 , MSPM0G3519 , MSPM0G3519-Q1 , MSPM0H3216 , MSPM0H3216-Q1 , MSPM0L1105

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1ADC の概要
    1. 1.1 SAR ADC の原理
    2. 1.2 ADC のパラメータ
      1. 1.2.1 静的パラメータ
      2. 1.2.2 動的パラメータ
        1. 1.2.2.1 AC のパラメータ
        2. 1.2.2.2 DC のパラメータ
  5. 2ADC ノイズ解析
    1. 2.1 ADC ノイズ分類
      1. 2.1.1 ADC ノイズ
      2. 2.1.2 リファレンスノイズ
      3. 2.1.3 電源ノイズ
      4. 2.1.4 ADC 入力ノイズ
      5. 2.1.5 クロック ジッタ
    2. 2.2 ノイズを低減する方法
      1. 2.2.1 RC フィルタリングによる入力ノイズの低減
      2. 2.2.2 レイアウトに関する推奨事項
      3. 2.2.3 信号対雑音比の向上
      4. 2.2.4 適切なリファレンス電圧源を選択
      5. 2.2.5 ノイズを低減するソフトウェア方式
  6. 3ADC オーバーサンプリング
    1. 3.1 サンプリング レート
    2. 3.2 抽出
    3. 3.3 アプリケーションの条件
  7. 4MSPM0 をベースとする ADC アプリケーション
    1. 4.1 MSPM0 の ADC 構成
    2. 4.2 MSPM0G3507 ADC EVM 基板を用いた ADC の DC テスト
      1. 4.2.1 ソフトウェア / ハードウェアの構成
        1. 4.2.1.1 ハードウェア
        2. 4.2.1.2 ソフトウェア
      2. 4.2.2 テスト結果
      3. 4.2.3 結果の分析と結論
  8. 5改訂履歴

ノイズを低減するソフトウェア方式

信号ノイズをソフトウェアで低減する最も直接的な方法は、オーバーサンプリングのためにサンプリング周波数を上げ、必要以上のサンプルを収集し、それらを平均することで信号中のノイズを減らし、有効分解能と信号対雑音比を向上させることです。平均プロセスは、ADC 伝達関数の DNL 誤差を除去するのにも役立ちます。DNL 誤差が大きいことによって ADC 出力で欠落したコードも、平均化を行うことで再び現れることがあります。そのため、オーバーサンプリングを用いることで、ADC のダイナミック レンジを効果的に改善できます。オーバーサンプリングには、次の点に注意する必要があります:

  • 1LSB より高い精度が必要な場合、ハードウェア平均化では実際のサンプル サイズの平均値を取得できません。たとえば、オーバーサンプリングで 16 個のデータポイントを取得しても、ハードウェア上でそのまま 16 ポイントを平均することはできません。その場合、結果は 12 ビット分解能となり、最大量子化誤差は ½ LSB になります。16 個のサンプルデータのうち 4 個ずつを平均することで、14 ビットの量子化結果を得ることができます。この場合、ソフトウェアによって 12 ビットの浮動小数点データに変換されます。この場合の最大量子化誤差は 1/8 LSB になります。
  • 適切なノイズにより、ハードウェア平均化のノイズ低減効果を改善できます。入力信号のノイズが極めて小さい場合 (ノイズのピーク ツー ピーク値が 1LSB 未満)、ADC のハードウェア分解能が 12 ビットしかないため、どれだけオーバーサンプリングしても出力結果は変化しません。そのため、オーバーサンプリングによってより高い分解能を得ることはできません。したがって、1LSB を超える適切な量のノイズを使用すると、平均化の効果が向上します。
  • 通常、ノイズが多いほど、高精度を得るために必要なオーバーサンプリング数が増えます。その結果、実際の入力信号に対する有効サンプリング周波数は低くなります。