JAJA755C January   2018  – November 2021 TPS63000 , TPS63001 , TPS63002 , TPS63010 , TPS63011 , TPS63012 , TPS63020 , TPS63021 , TPS63024 , TPS630241 , TPS630242 , TPS630250 , TPS630251 , TPS630252 , TPS63027 , TPS63030 , TPS63031 , TPS63036 , TPS63050 , TPS63051 , TPS63060 , TPS63061 , TPS63070 , TPS63802 , TPS63805 , TPS63806 , TPS63810 , TPS63811 , TPS65218 , TPS65218D0

 

  1.   1
  2. 4スイッチ昇降圧電力段の基本的な計算
  3.   商標
  4. 1昇降圧コンバータの基本構成
    1. 1.1 電力段に必要なパラメータ
  5. 2デューティ・サイクルの計算
  6. 3インダクタの選択
    1. 3.1 降圧モード
    2. 3.2 昇圧モード
  7. 4最大スイッチ電流の計算
    1. 4.1 降圧モード
    2. 4.2 昇圧モード
  8. 5出力電圧設定
  9. 6入力コンデンサの選択
  10. 7出力コンデンサの選択
    1. 7.1 降圧モード
    2. 7.2 昇圧モード
  11. 8参考資料
  12. 9改訂履歴
  13.   A TPS63802 を使用した設計例
    1.     A.1 システム要件
    2.     A.2 デューティ・サイクル
    3.     A.3 インダクタの選択
    4.     A.4 最大スイッチ電流
    5.     A.5 出力電圧設定
    6.     A.6 入力コンデンサの選択
    7.     A.7 出力コンデンサの選択
  14.   B 4 スイッチ昇降圧コンバータの電力段を計算する式
    1.     B.1 計算式のまとめ

降圧モード

降圧モードの場合、式 14 および 式 16 を使って、出力電圧リップルの目標値に対する出力コンデンサの最小値を計算します。最小出力容量としては、式 14 および 式 16 で得られる最大値を使用します 。

式 14. COUTmin1=KindxIOUT8×FSW×VOUTripple

ここで、

  • COUT min1 = 必要な最小出力容量
  • FSW = コンバータのスイッチング周波数
  • VOUTripple = 目標出力電圧リップル
  • IOUT = 目標最大出力電流
  • Kind = 最大出力電流に対するインダクタのリップル電流の量を示す係数の推定値

出力コンデンサの ESR によってもある程度リップルが増えます。その値は、式 15 で得られます。

式 15. ΔVOUTesr=ESR×KindxIOUT

ここで

  • ΔVOUTesr = コンデンサの ESR により増加する出力電圧リップル
  • ESR = 使用する出力コンデンサの等価直列抵抗

多くの場合、出力コンデンサの選択は定常状態のリップルではなく、出力過渡応答によって決まります。出力電圧の偏差は、必要な出力電流の増加または減少に対して、インダクタが追いつくまでに時間がかかることによって発生します。

次の式を使用すれば、負荷電流の喪失による最大オーバーシュートの目標値を実現するために必要な出力容量を計算できます。

式 16. COUTmin2=KindxIOUT2×L2×VOUT×ΔVOUT

ここで

  • COUT min2 = オーバーシュートの目標値に必要な最小出力容量
  • IOUT = 目標最大出力電流
  • Kind = 最大出力電流に対するインダクタのリップル電流の量を示す係数の推定値
  • VOUT = 目標出力電圧
  • ΔVOUT = オーバーシュートによる出力電圧変化の目標値