JAJU913 December 2023
双方向 DC/DC コンバータ トポロジのブロック図を、図 2-3 に示します。このような非絶縁型トポロジでは、バッテリ エネルギーを蓄積できるシステムで双方向コンバータが使用できます。双方向性が求められる理由として、コンバータは一方向ではバッテリ チャージャ (降圧モード) として機能し、一方ではバッテリを放電 (昇圧モード) して DC リンクにより高い安定した出力電圧を供給する必要があるからです。
昇圧モードでは、このコンバータは DC リンク経由でインバータに電力供給するため、放電電流は 30A に制限されます。昇圧モードでも、より高い電力レベルに到達するために 30A の充電電流を使用する可能性があります。その結果、FET の導通損失とスイッチング損失が大きくなるため、分岐のインターリーブを行えます。また、分岐を並列化することで、出力 EMI フィルタを通るスイッチング周波数を 2 倍にでき、小型化にも寄与します。リップル電流を低減するために、レッグ間に 360°/2 = 180° の位相差が適用されます。両方の分岐から同じ電流が求められることで出力電流は 2 倍になり、デューティ サイクルはバッテリ電圧と DC リンク電圧に応じて固定されます。さらに、スイッチが相補的に切り換わる間に、電流パスの短絡を避けるため、ハーフ ブリッジ FET の間にデッド タイムが挿入されます。インターリーブされた両段には、定格 186μH の個別の入力コンデンサと Bourns インダクタ 145452 (D6755)、および出力リップル電圧を最小限に抑えるための共通の出力コンデンサが設けられています。すべてのパッシブ部品は、リップルと EMI のワーストケース要件を満たすように設計されています。
したがって、このデザインでは、降圧段に 3.6kW の出力を供給する定格となっており、最大 7.2kW までのバッテリ充電が可能です。インターリーブされた各段は 60kHz の周波数で切り換えられ、その結果 120kHz の等価出力周波数となります。