JAJUA42B March 2025 – November 2025 THS3470
THS3470 には、シンクおよびソース両方向の出力電流制限機能が搭載されています。電流リミット値は、ISRC_LIMIT (ピン 28) および ISINK_LIMIT (ピン 7) に接続された抵抗によって設定されます。EVM のデフォルト構成では、固定抵抗とポテンショメータを組み合わせて電流リミットを調整できるようになっており、必要に応じて総リミット範囲を変更することも可能です。表 2-1 では、EVM 上の抵抗を用いて電流リミットを正しく設定するための関係式が示されています。
| 電流制限 | ピン番号 | 電流制限式 | EVM 抵抗器 |
|---|---|---|---|
| ソース | 28 | ILIMIT = [(VSMID – VEE) / RISRC] × 2048 | RISRC = R17 + R18 + R22 |
| シンク | 7 | ILIMIT = [(VCC – VSMID) / RISNK] × 2048 | RISNK = R27 + R28 + R31 |
ポテンショメータを使用せずに、ジャンパ J10 および J11 を用いて電流リミット端子を抵抗に直結することで、異なる値の切り替えを簡単に行うこともできます。この方法を使用する場合は、R18 および R28 を取り外す必要があります。
電流制限機能は、ソース リミットの場合はピン 3 を Low に、シンク リミットの場合はピン 4 を Low に設定することで有効になります。EVM には、電流リミット有効化機能を制御するためのスイッチ S1 および S2 が搭載されています。これらのスイッチは、GND に設定するとリミットを有効化し、VDD に設定するとリミットを無効化します。また、過電流のソースおよびシンク フラグ電圧に接続することで、フラグがトリップした際に自動的に電流リミットを有効化することも可能です。