JAJSWK4 May 2025 OPA810-Q1
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
トランスインピーダンス ゲインが比較的高い大面積の検出器から高帯域幅を必要とする設計は、OPA810-Q1 の入力電圧ノイズが低下するという利点があります。この入力電圧ノイズは、ダイオードのソース容量により周波数全範囲でピークアップされ、(多くの場合) 入力感度の制限要因となる可能性があります。この設計で重要な要素は、逆バイアス電圧 (VBIAS) が印加されたときに予想されるダイオード容量 (CD)、目的のトランスインピーダンス ゲイン (RF)、OPA810-Q1 の GBWP (70MHz) です。図 8-12 に、表 8-2 で説明したトランスインピーダンス回路とパラメータを示します。これら 3 つの変数セット (および、OPA810-Q1 の寄生入力容量と、CD に追加されたプリント基板 (PCB) を含む) を使用することで、帰還コンデンサの値 (CF) を設定し、周波数応答を制御できます。アプリケーション レポート『高速アンプのトランスインピーダンスに関する考慮事項』では、トランスインピーダンス アプリケーションで高速アンプを使用する方法について説明しています。2 次バターワース周波数応答が最大限平坦になるように、式 9 に従って帰還極を設定します。
アンプの入力容量は、同相容量と差動容量 (2.0 + 0.5) pF の合計です。フォトダイオード パッケージと PCB からの寄生容量は約 0.3pF です。式 5 を使用すると、CD = 22.8pF の合計入力容量が得られます。式 9 から、1.55MHz の帰還極を設定します。1.55MHz に極を設定するには、1.03pF の合計帰還容量が必要です。
式 10 は、トランスインピーダンス アンプ回路のおおよその -3dB 帯域幅を示しています。
式 10 で 2.19MHz の閉ループ帯域幅を推定します。図 8-13と 図 8-14 に、図 8-12 のトランスインピーダンス アンプ回路の TINA-TI シミュレーションからのループ ゲインの振幅と位相のプロットを示します。1/β のゲイン曲線には、RF と CIN からのゼロが 70kHz に、RF と CF によって 1/β のゼロを相殺する極が1.5MHz にあります。その結果、ループ ゲインのクロスオーバー周波数 (AOL が 1/β に等しい周波数) において 20dB/decade の閉鎖率となり、安定した回路を実現します。3MHz の閉ループ帯域幅と 100kΩ のトランスインピーダンス ゲインから、62°の位相マージンが得られます。