JAJSP12A July 2024 – November 2025 LM5190-Q1
PRODUCTION DATA
本デバイスは、広い入力電源電圧範囲で動作するように設計されています。入力電源の特性は、「絶対最大定格」と「推奨動作条件」に適合している必要があります。また、入力電源は、全負荷時のレギュレータに必要な入力電源電流を供給できる必要があります。式 40 を使用して、平均入力電源電流を推定します。
レギュレータが高インピーダンスを持つ長い配線や PCB パターンを経由して入力電源に接続されている場合は、安定した性能を実現するために特に注意が必要です。入力ケーブルの寄生インダクタンスと抵抗は、コンバータの動作に悪影響を及ぼすおそれがあります。寄生インダクタンスと低 ESR セラミック入力コンデンサを組み合わせることで、不足減衰共振回路が形成されます。この回路は、入力電源がオンとオフで切り替わるたびに、レギュレータの入力で過電圧過渡が発生する可能性があります。寄生抵抗により、負荷過渡中に入力電源電圧が低下します。こうした問題を解決する最善策は、入力電源からレギュレータまでの距離を短くして、セラミックと並列にアルミニウム製やタンタル製の入力コンデンサを使用することです。電解コンデンサの ESR は比較的低いため、入力共振回路は減衰し、電圧オーバーシュートを低減することができます。
レギュレータの前に EMI 入力フィルタを使用することがあります。ただし、設計に留意しなければ、これにより不安定な状態が起きる、または前述のような影響を及ぼすおそれがあります。『AN-2162 DC/DC コンバータ向け伝導 EMI の簡単な成功事例』アプリケーションノートでは、スイッチングレギュレータの入力フィルタを設計する際に役立つ提案を紹介しています。