JAJSPK0A December 2022 – October 2023 DRV8461
PRODUCTION DATA
スペクトラム拡散または周波数ディザリングは、狭帯域信号を広帯域信号に変換して EMI の影響を低減するために使用され、複数の周波数にわたってエネルギーが拡散されます。図 7-36 に、クロック周波数の操作により時間の経過とともにエネルギーが拡散する効果を示します。
DRV8461 の場合、デジタル回路の内部クロック (標準値 10MHz) とチャージ・ポンプのクロック (標準値 357kHz) の周波数を操作することにより、ピーク・エネルギーは低減し、他の周波数とその高調波に分配されます。この機能と出力スルーレート制御を組み合わせることで、本デバイスからの放射妨害波を最小限に抑え、厳格な EMI 規格に合格する一助となります。
DRV8461 が SPI インターフェイスで構成されている場合、スペクトラム拡散は DIS_SSC ビットを使用してイネーブルまたはディセーブルにできます。デフォルトでは、電源投入後にスペクトラム拡散はディセーブルになります。DIS_SSC ビットに 0b を書き込むと、スペクトラム拡散がイネーブルになります。デバイスがサイレント・ステップ減衰モードで動作している場合、スペクトラム拡散はディセーブルになります。また、DRV8461 が GPIO インターフェイスで構成されている場合、スペクトラム拡散はディセーブルです。
スペクトラム拡散を実装するには、複数の方法があります。DRV8461 では、三角波アナログ変調プロファイルを使用します。図 7-37 および 図 7-38 に、それぞれの中心周波数周辺の内部デジタル・クロックとチャージ・ポンプ・クロックのスペクトラム拡散プロファイルを示します。デジタル・クロックは、9MHz~11MHz の間の 14 ステップの等量によって変わります。
中心周波数自体は、プロセスや温度の変化に応じて変化することに注意してください。また、これらに加えて、スペクトラム拡散による変動もあります。