JAJA863 April   2025 LM74610-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
    1. 1.1 MLPE とは
    2. 1.2 なぜ、いつ、どこで MLPE が必要なのか
    3. 1.3 ソーラー電力オプティマイザとは
    4. 1.4 ソーラー電力オプティマイザの動作原理
    5. 1.5 ソーラー電力オプティマイザの出力バイパス機能
  5. 2バイパス回路の従来の設計
    1. 2.1 設計 1 - P-N 接合ダイオードまたはショットキー ダイオードの使用
    2. 2.2 設計 2 - MOSFET の使用
  6. 3バイパス回路の新しい設計
    1. 3.1 バイパス回路の要件
    2. 3.2 理想ダイオード コントローラ LM746x0-Q1 の使用
    3. 3.3 理想ダイオード コントローラを使用する際の課題
    4. 3.4 LM746x0-Q1 逆電圧範囲拡張の動作原理
  7. 4ベンチ テストと結果
  8. 5まとめ
  9. 6参考資料

はじめに

ソーラー太陽光 (PV) セルの出力特性は、光の放射強度や周囲温度によって大きく異なります。PV システムの基本的な要件の 1 つは、ソーラー エネルギーをより効率的に利用できるように、PV セルが常に最大の電力を供給できるようにすることです。したがって、ソーラー電力の最適化には、PV パネルの環境変化に応じて PV パネルの出力電圧と出力電流をこの予想最大電力点に動的に維持するための最大電力点追従 (MPPT) 回路およびアルゴリズムが使用されます。

ソーラー電力の最適化に広く用いられている従来の方法は、PV ストリング レベルで行われます。実際、各 PV ストリングは通常、複数の PV モジュール (PV パネルとも呼ばれ、各 PV モジュールは複数の PV セルで構成されている) で構成されています。PV ストリング レベルで実行されるソーラー電力の最適化は、グローバル ストリング MPPT のみを行いますが、モジュール レベルの MPPT は行いません。また、各 PV モジュールは MPP では動作しない可能性があり、PV ストリングも MPP で動作します。この問題を解決するために、モジュール レベル電力電子機器 (MLPE) 技術が長年にわたって発展し、製品化されてきました。