JAJA920B September   2024  – August 2025 TMAG5133 , TMAG5134 , TMAG5233

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
    1. 1.1 リード スイッチ
    2. 1.2 ホール効果センサ
    3. 1.3 トンネリング磁気抵抗 (TMR) センサ
  5. 2設計上の考慮事項
    1. 2.1 技術の複雑さとコスト
    2. 2.2 感度軸
      1. 2.2.1 ホール効果スイッチ
      2. 2.2.2 TMR スイッチ
      3. 2.2.3 リード スイッチ
    3. 2.3 機械的制約
    4. 2.4 消費電力
  6. 3まとめ
  7. 4参考資料
  8. 5改訂履歴

トンネリング磁気抵抗 (TMR) センサ

材料科学と量子力学の進歩に伴い、極薄の誘電体層で区切られた磁気構造間で発生する電子のトンネリングを利用した新しい技術が磁気スイッチに採用されつつあります。

 簡略化された TMR スタックアップ図 1-10 簡略化された TMR スタックアップ

図 1-10に示されている上下のブロックは、実際には TMR 効果を生み出すことができる導電性磁性材料の複雑な積層です。製造中、ボトム層には特定の磁化が適用され、一般にピン層と呼ばれています。また、トップ層は自由層とみなされます。

印加される磁場が構造体に導入されると、材料の全体的な抵抗は磁場の相対的な方向によって変化します。印加される磁気ベクトルが基材層の磁化に平行な場合、相対インピーダンスは最大になり得ますが、印加される磁場が電流の流れに反平行な方向に近づくと、インピーダンスは 図 1-11 に示す最小値まで低下します。

 TMR インピーダンス図図 1-11 TMR インピーダンス図

この技術の通常の製造プロセスの結果、TMR センサは通常、XY 平面内で印加される磁場に対してセンサが感度を持つように構成されています。