JAJAA11 September   2025 F29H850TU , F29H859TU-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2エラー処理アーキテクチャの概要
  6. 3使用例の概要
  7. 4エラー アグリゲータの概要
    1. 4.1 エラー アグリゲーション
    2. 4.2 エラー ログ
    3. 4.3 EAM モジュールを用いたエラー デバッグ
      1. 4.3.1 EAM エラー デバッグ
      2. 4.3.2 エラー アドレスとプログラム カウンタ値の解釈
  8. 5エラー通知モジュールの概要
    1. 5.1 ESM エラー イベント出力の構成およびステータス情報
      1. 5.1.1 Sysconfig ESM の構成
    2. 5.2 ESM エラー イベント デバッグ
    3. 5.3 ESM に関するその他のデバッグのヒント
  9. 6BootROM における EAM/ESM エラー ステータス
  10. 7FAQ:
  11. 8まとめ
  12. 9参考資料

エラー アグリゲーション

C29x CPU には、CPU DR1 (データ読み取りバス 1)、DR2 (データ読み取りバス 2)、DW (データ書き込みバス)、PR (プログラム フェッチ/ 読み取りバス) の 4 つのバスがあります。各バスから発生したエラーは、それぞれの EAM エラー フラグ レジスタで個別に検出し、記録され、エラー源の切り分けに使用されます。

エラー アグリゲーションに加えて、エラー イベントも低優先度エラーと高優先度エラーに分けられます。この例では、4 つのバスすべてのエラー イベントを最初に、エラーの重大度に基づく低優先度と高優先度の 2 つのカテゴリに分類してから、集約します。集約された出力 ― 低優先度および高優先度のエラー イベント ― は、その後 ESM に渡されます。エラー優先度は、重大度に応じてデバイス内で事前定義されています。EAM でキャプチャされたすべてのエラーのエラーの優先度の詳細については、F29x テクニカル リファレンス マニュアルの「エラー アグリゲータ」の章を参照してください。

各エラーにはエラー タイプの値と固定の事前定義済み優先度が割り当てられており、以下の表に CPU PR バスを例として示します。

表 4-1に示す例は、CPU PR バス用です。シングル ビット (訂正可能エラー) および WARNPSP エラーは低優先度エラーに分類され、他のすべてのエラーは高優先度エラーに分類されます。CPU PR EAM 内のすべての高優先度エラー タイプには単一の集約出力があり、同様に CPU PR EAM 内のすべての低優先度エラーについても 1 つの集約出力があります。

表 4-1 EAM CPU PR エラー タイプ優先度
エラー タイプ値 CPUx PR エラー RAM、ROM、FRI–PR エラー 優先順位
0x01

命令フェッチ セキュリティ違反。命令パケットが LINK、STACK、ZONE の境界を越えました。

リニア コードが LINK、STACK、ZONE の境界を越えました。

通常の分岐および呼び出しが STACK、ZONE の境界を越えました。

予約済みHigh
0x02 セキュア エントリ エラー 予約済みHigh
0x04 セキュア終了エラー 予約済みHigh
0x08 MAX PSP エラー 予約済みHigh
0x10 アクセス タイムアウト エラー 予約済みHigh
0x20 アクセス ACK エラー アクセス ACK エラーHigh
0x40 修正不可能なエラー 修正不可能なエラーHigh
0x80 修正可能なエラー 予約済み Low
0x100 WARN PSP エラー 予約済み Low
0x200 ソフトウェア ブレークポイント エラー 予約済み High
0x400 不正な命令エラー 予約済み High
0x800 命令のタイムアウトエラー 予約済み High

すべての CPU バス である CPU PR、DR1、DR2、DW からの高優先度エラーは、CPU HPERR (高優先度エラー) として統合され、ESM に送られます。同様に、CPU PR、DR1、DR2、DW からのすべての低優先度エラーは CPU LPERR (低優先度エラー) として統合され、ESM に送られます。これは、図 4-1 に示すとおりです。

集約の利点は、ESM に渡されるエラー イベントの数と、それらのエラー イベント (上表に表示) に対する ESM 内でのエラー レスポンス構成を、すべての CPU バスにわたって高優先度と低優先度の 2 種類のエラー イベントにまで削減できる点です。特にデバイス内にこのようなエラー イベントが複数存在する場合、各 CPU バスから発生する各エラーを個別に設定するため、これは冗長です。そのため、すべての CPU バスでのエラーが集約され、ESM に供給されます。エラーの集約に加えて、分離も重要です。これにより、ユーザーは低優先度エラーと高優先度エラーに対して、それぞれ適切なアクションを生成するよう ESM を構成できるからです。

 CPU1 EAM モジュール エラー集約図 4-1 CPU1 EAM モジュール エラー集約
注: EAM エラー タイプ優先度は、ESM 出力優先度と混同しないでください。ESM 出力優先度の詳細についてはF29x テクニカル リファレンス マニュアルの ESM の章を参照してください。