JAJSXK5 November 2025 LM51251A-Q1
PRODUCTION DATA
インダクタンス値を選択するときは、次の 3 つの主要パラメータを考慮します。インダクタの電流リップル比 (Rr)、インダクタ電流の立ち下がり勾配、制御ループの RHPZ 周波数。
ピーク電流モードの制御理論に従い、勾配補償ランプの勾配は、高いデューティ サイクルにおいて分数調波の発振を防止するため、検出されるインダクタ電流の立ち下がり勾配の半分よりも大きい必要があります。
ここで、
インダクタンスの下限は次のように求めます。
Rcs は 1.5mΩ と推定されるため、次のことが分かります。
RHPZ 周波数は次のように求めます。
クロスオーバー周波数は RHPZ 周波数の 1/5 よりも低い必要があります。
クロスオーバー周波数として 1kHz が求められると仮定すると、インダクタンスの上限は次のように計算されます。
インダクタのリップル電流は、インダクタのコア損失と巻線損失との適切な折衷点として、一般に全負荷電流の 30%~70% に設定されます。
位相ごとの入力電流は次のように計算します。
連続導通モード (CCM) 動作では、最大リップル比はデューティ サイクルが 33% のときに発生します。最大リップル比の結果となる入力電圧は、次のように求めます。
したがって、最大入力電圧 Vin_max を使用して最大リップル比を計算する必要があります。
この例では、リップル比 0.3、入力電流の 30% が選択されています。スイッチング周波数と標準出力電圧が既知の場合、インダクタの値は次のように計算します。
最も近い標準値である 3.3µH を Lm に対して選択しました。
標準入力電圧でのインダクタ リップル電流は、次のように計算します。
フェライト コア インダクタを選択する場合は、ピーク電流制限時にインダクタが飽和しないようにしてください。フェライト コア インダクタのインダクタンスは飽和するまでほぼ一定です。フェライト コアは大きなサイズでコア損失が小さい特長があります。
パウダー コア インダクタの場合、DC 電流が大きくなるとインダクタンスは緩やかに低下します。この挙動は、大きいインダクタ電流でリップル電流の増加につながります。この例では、ピーク電流制限時にインダクタンスが 0A に比べて 70% まで低下します。ピーク電流制限時の電流リップルは、次のように求めます。