必要な電源サイズを計算するには、電源に予定されている負荷、システムで許容されるノイズ、および全体的な電流要件を考慮する必要があります。

まず、各電圧レールの電流要件を計算します。各チップ / モジュールのピーク電流値を必ず追加してください。これは通常、各電源ピンのピーク電流値です。さらに、LED や他の負荷などの部品を含む、その他すべての受動負荷と能動負荷も考慮するようにしてください。

さらに安全な設計にするため、これらの電流を 1.3～2 倍にして、電圧レギュレータの推奨電流仕様を満たします。これにより、電源システムに接続されているブロックの電流不足を防止できます。リニア・レギュレータと DC/DC コンバータのいずれかを選択します。この決定は主に、システム全体で許容される電源ノイズの量に依存します。超低ノイズを必要とするシステムでは、リニア・レギュレータ / LDO を推奨します。DC/DC コンバータを使用すると、電力効率が向上します。

以下のシナリオは、推奨される電源仕様を計算するためのガイダンスの例を示しています。

• このアプリケーションでは、F28002x とそのすべてのペリフェラルを使用します。デバイスのフラッシュは現場ではアップグレードされず、10 本の GPIO ピンは 1.5mA の静的負荷を駆動し、2 本の追加 GPIO は 10pF の負荷で 200kHz の波形をトグルします。
  式 1. $P_{est}=\left\{Operating Mode\right\}+\left(n_{GPIO、static}\times l_{load}\right)+n_{GPIO、active}\times \left(n_{transitions/period}\times f\times C\times V^2\right)$
  式 2. $P_{est}=\left(0.072A+0.005A\right)+\left(10\times 0.0015A\right)+2\times \left(2\times 200k\times 10p\times {3.3}^2\right)$
  式 3. $P_{est}=92mA$

  このシナリオでは、フラッシュ・プログラミングは現場では行われませんが、初期プログラミングは行われます。そのため、次のようになります。

  式 4. $92mA<\left(106mA+2.5mA\right)=108.5mA$

  マージン値 1.5 を乗算して、最終的な電源電流要件を決定します。

  式 5. $108.5mA\times 1.5=162mA @ 3.3V \left(535mW\right)$
• このアプリケーションでは、F28002x と、2 つの ADC、1 つの CAN、4 つの HRPWM モジュールを使用します。現場でアップグレードする必要があります。
  式 6. $P_{est}=\left\{Flash Program Mode\right\}+(2\times I_{ADC})+(1\times I_{CAN})+(4\times I_{HRPWM})$
  式 7. $P_{est}=\left(0.106A+0.0025A\right)+2\times 0.67A+1\times 1.18A+4\times 0.87A$
  式 8. $P_{est}=114mA$

  マージン値 1.5 を乗算して、最終的な電源電流要件を決定します。

  式 9. $114mA\times 1.5=171mA @ 3.3V \left(564mW\right)$