JAJA859 April   2025 MSPM0G3506 , MSPM0G3507 , MSPM0G3518 , MSPM0G3519

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
    1. 1.1 MCAN の機能
  5. 2MCAN モジュールの SysConfig 構成
    1. 2.1 MCAN クロック周波数
    2. 2.2 MCAN の基本構成
      1. 2.2.1 トランスミッタ遅延補償 (TDC)
      2. 2.2.2 ビット タイミング パラメータ
      3. 2.2.3 メッセージ RAM の構成
        1. 2.2.3.1 標準および拡張 ID フィルタの構成
          1. 2.2.3.1.1 フィルタを追加する方法
        2. 2.2.3.2 TX MSG RAM
        3. 2.2.3.3 RX MSG RAM
    3. 2.3 高度な構成
    4. 2.4 保持構成
    5. 2.5 割り込み
    6. 2.6 ピン構成および PinMux
  6. 3デモ プロジェクトの説明
    1. 3.1 TX バッファ モード
    2. 3.2 TX FIFO モード
    3. 3.3 RX バッファ モード
    4. 3.4 RX FIFO モード
  7. 4CAN 通信の問題を解決 / 回避するためのデバッグと設計のヒント
    1. 4.1 最低限必要なノード数
    2. 4.2 トランシーバが必要な理由
    3. 4.3 バス オフ ステータス
    4. 4.4 低消費電力モードでの MCAN の使用
    5. 4.5 デバッグ チェックリスト
      1. 4.5.1 プログラミングの問題
      2. 4.5.2 物理層の問題
      3. 4.5.3 ハードウェアのデバッグのヒント
  8. 5まとめ
  9. 6参考資料

はじめに

CAN は、車載アプリケーション向けに独自に開発されたシリアル プロトコルです。CAN は堅牢性と信頼性のため、産業用機器、医療用電子機器、列車、航空機など多様なアプリケーションに使用できます。CAN プロトコルは、高度なエラー検出機能と閉じ込め機構を備えており、物理的なレベルで簡単な配線が可能です。オリジナルの CAN プロトコル規格は現在、最新の CAN FD 規格と区別するために Classical CAN と呼ばれています。CAN バスの代表的な配線を図 1-1 に示します。

 代表的な CAN バス図 1-1 代表的な CAN バス

CAN フレキシブル データ レート (CAN FD) は、Classical CAN のビット レートと、1 フレームで転送されるバイト数に関して拡張したものであり、これにより通信の実効スループットが向上します。Classical CAN は最大 1Mbps のビット レートとフレームあたり 8 バイトのペイロード サイズに対応していますが、CAN FD は最大 5Mbps のビット レートとフレームあたり最大 64 バイトのペイロード サイズに対応しています。CAN FD フレームのフレーム構造を図 1-2 に示します。

 CAN FD フレーム図 1-2 CAN FD フレーム