JAJAA92A April   2024  – November 2025 UCC27301A-Q1 , UCC27311A-Q1 , UCC27517 , UCC27517A , UCC27517A-Q1 , UCC27524 , UCC27614 , UCC27624 , UCC27624-Q1 , UCC27710 , UCC27712 , UCC27712-Q1 , UCC27714 , UCC44273 , UCC57102 , UCC57102-Q1 , UCC57108 , UCC57108-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2PFC 段
    1. 2.1 昇圧 PFC
    2. 2.2 インターリーブ昇圧 PFC
  6. 3モーター ドライブ段
    1. 3.1 スタンドアロン ゲート ドライバと IPM の比較
    2. 3.2 3 相モーターの駆動
    3. 3.3 商業用 HVAC 向け高電力レベル
  7. 4DC/DC 段
    1. 4.1 同期整流降圧コンバータ
    2. 4.2 フライバック コンバータ
  8. 5まとめ
  9. 6参考資料
  10. 7改訂履歴

昇圧 PFC

PFC は HVAC システムの主要な電力段の 1 つであり、HVAC システムで最も一般的に使用される PFC トポロジは昇圧 PFC です。昇圧 PFC トポロジは、まず AC ライン電圧を整流するためにフルブリッジ整流器を用い、その後に昇圧コンバータを使用して整流後の電圧を目的の DC バス電圧まで昇圧します。このトポロジは、グランドを基準とした単一の FET で構成され、ローサイド ゲート ドライバを必要とします。図 2-1 に、昇圧 PFC の例を示します。

 UCC5714x による昇圧 PFC図 2-1 UCC5714x による昇圧 PFC

HVAC の PFC 回路で FET を駆動するためのゲート ドライバを選択する際には、慎重な検討が必要です。HVAC システム内の寄生インダクタンスや電磁干渉により、ゲート ドライバに影響を与えるおそれのある損傷性または破壊性のある負電圧が発生する可能性があります。この問題を回避するには、負電圧対応機能を備えたゲート ドライバを選択し、システムの堅牢性を向上させることが重要です。高効率な HVAC の PFC 回路を設計する際に考慮すべきもう 1 つの要件は、ピーク駆動電流です。大きなピーク駆動電流は、FET の高速な立ち上がり時間および立ち下がり時間の実現に寄与します。その結果、電圧と電流の重なりが減少することにより、スイッチング損失が低減し、HVAC システムの効率向上に貢献します。もう 1 つの検討事項は、ゲート ドライバの IC のサイズです。小型のパッケージにより、ゲート ドライバ IC をパワー FET の近くに配置できるため、PCB 配線による寄生インダクタンスが低減します。

UCC5714x は、HVAC システムの昇圧 PFC で FET を駆動するために使用できます。UCC5714x は、出力のピーク電流がソース側 3A、シンク側 3A で、VDD は最大 30V まで対応します。また、このドライバは、立ち上がり時間 8ns、立ち下がり時間 14ns、伝搬遅延 26ns を備えており、HVAC システムにおける高速かつ効率的なスイッチングを実現します。UCC5714x は、負電圧処理機能、低電圧ロックアウト (UVLO)、内蔵の過電流保護 (OCP) を備えており、堅牢性の向上に寄与します。OCPがエンド システムにもたらす利点の詳細については、アプリケーション ノートを参照してください。表 2-1 では、UCC5714x と主要な競合製品の比較を示しています。

表 2-1 UCC5714x と主要な競合製品の比較
設計上の考慮事項UCC5714x競合製品1競合製品2
電源電圧 (VDD)
絶対最大値
30V25V25V
負電圧処理-5V-5V-5V
UVLO8V/12V12V8V
ソース / シンク電流
(標準値)
3A / 3A2.6A / 2.4A2.6A / 2.6A
立ち上がり / 立ち下がり時間 (標準値)8ns / 14ns (1.8nF 負荷時)5ns / 5ns (1.0nF 負荷時)5ns / 5ns (1.0nF 負荷時)
オン / オフの伝搬遅延
(標準値)
26ns15ns

50ns

OC ブランキング時間(標準値)180ns250ns180ns
パッケージSOT-23 (6 ピン)SOT-23 (6 ピン)SOT-23 (6 ピン)