JAJSXH2A July 2025 – November 2025 DP83TC815-Q1
PRODUCTION DATA
ECU の標準的なスリープウェーク サイクルでは、ウェークアップ後、SoC/ ホストはブートアップに長い時間を要します。リンクアップにレジスタをプログラムする必要がある PHY は、SoC がブートアップ フェーズを完了するまで、リンクアップ プロセスを開始しません。リンクが通信準備を完了するまでに、イーサネット PHY のリンクアップ プロセスは 100ms を要します。これにより、遅延は最大で加算されます。
DP83TC815-Q1 はカスタム高速ウェークアップ機能をサポートしており、ウェークアップから通信準備完了までの遅延時間を短縮します。下の図に、高速ウェークアップ機能ありとなしのタイミング差を示します。
DP83TC815-Q1 には、スリープとウェーク サイクルの間でレジスタ情報を保存するために必要な、低消費電力のメモリが内蔵されています。メモリに保存されたレジスタ値は、PHY のウェークアップおよびコアのパワーアップ後に自動的にロードされます。SoC/ ホストはレジスタのプログラミングに必要ないため、PHY は独立して通信準備完了を可能にし、ウェークアップから通信準備完了までの遅延を大幅に短縮できます。
VSLEEP ドメインに内蔵されたメモリにより、スリープ状態の間にコア電源 (VDDA、VDD1P0、VDDMAC/VDDIO) がオフになっても情報がそのまま保たれます。このメモリは揮発性であり、VSLEEP 電源がオフになると消去されます。
メモリに保存するレジスタ値は、コア電源がオンになったときに、少なくとも 1 回プログラムする必要があります。つまり、遅延の低減は 2 回目のスリープウェイク サイクルからのみ確認できるということです。以下の状態遷移図は、その動作を示しています。
レジスタをメモリに書き込む操作は、リンクアップ中、スタンバイモード中、通常動作中、または通信中など、次のスリープ ネゴシエーションが行われる前であればいつでも実行できます。メモリへのレジスタのプログラミングは、それ以降のスリープウェイク サイクル中でも実行できます。
メモリを任意のタイミングでクリアするには、リセット ピンをアサートする (RESET_N = LOW) か、レジスタ 0x01BE に 0x0060 を書き込みます。