JAJU578C July 2018 – March 2021 TPS274160
TPS4H160-Q1 デバイスは、チャージ ポンプとクアッド チャネル NMOS パワー FET を内蔵したスマート ハイサイド スイッチです。包括的な診断機能と高精度の電流検出機能によって、インテリジェントな負荷制御が可能です。調整可能な電流制限機能により、システム全体の信頼性が大幅に向上します。このデバイスには、オープン ドレイン デジタル出力 (バージョン A) と電流検出アナログ出力 (バージョン B) という、異なる診断報告機能を持つ 2 つのバージョンがあります。
バージョン A では、デバイスはオープン ドレイン構造によるデジタル フォールト レポートを実装しています。故障が発生すると、デバイスは STx を GND にプルダウンします。マイコンの電源レベルに合わせるためには、3.3V または 5V の外部プルアップが必要です。各チャネルのデジタル ステータスは、STxピンを互いに接続することで、個別に、またはグローバルに報告できます。
バージョン B では、高精度の電流検出により、追加の補正なしで診断の精度が向上します。1 つの内蔵電流ミラーにより、負荷電流の 1 / K(CS)を供給可能です。ミラーリングされた電流は CS ピン抵抗に流れ、電圧信号になります。K(CS) は、温度と電源電圧に関係なく一定の値です。0V~4V までの広いリニア領域により、負荷電流のリアルタイム監視がより効果的に行えます。CS ピンは、VCS(H)のプルアップ電圧で故障を通知することもできます。
外部の高精度電流制限機能により、アプリケーションごとに電流制限値を設定できます。過電流が発生した場合、デバイスは突入電流を効果的にクランプすることで、システムの信頼性を向上させます。また、PCB トレースとコネクタのサイズ、および前段の電力段の容量を削減することにより、システムのコストを節約できます。さらに、このデバイスには固定値の内部電流制限機能も実装されています。
このデバイスでは、誘導性負荷(リレー、ソレノイド、バルブ)のために、ドレインとソースの間にアクティブクランプを実装して自己保護を行います。誘導性負荷のスイッチオフ サイクル中は、電源(EBAT)および負荷(ELOAD)の両方のエネルギーが、ハイサイド パワー スイッチ自体で消費されます。また、このデバイスは、クランプがアクティブなときのスイッチングオフのスルーレートを最適化し、過渡電力とEMIの影響を最小限に抑え、維持することで、システム設計を支援します。
TPS4H160-Q1 デバイスは、省電力電球、LED、リレー、ソレノイド、ヒーターなど、幅広い種類の抵抗性、誘導性、容量性負荷のためのハイサイド パワー スイッチとして使用できます。
出力ドライバ段により小型のソリューションが必要な場合は、新しく登場した TPS4H160-Q1 デバイスの小型 QFN バージョンを使用できます。TPS274160 は、TPS4H160-Q1 と同等の性能を備えながら、より小型の QFN パッケージで提供されるという利点があります。TPS274160 は TPS4H160-Q1 と比較してソリューション サイズを 67% 削減します。
図 2-4 TPS4H160 のブロック図ここでは、主な機能について説明します: