図 3-21 に示すデバッグ機能が GUI5.3 で追加されました。
[Peripherals] パネルの横にある [Debug Tab] ボタンをクリックすると、図 3-21 が表示されます。
[Enable Debug mode] チェックボックスを選択すると、[Debug] タブに示すデバッグ機能が有効になります。
- [Destination ASIC] は、シングル コントローラ システムには適用されず、オプションはグレー表示のままです。
- [Controller Memory Read/Write] ボックスを使うと、コントローラのメモリ アドレスの読み書きが可能です。
シングル コントローラ システムでは、デフォルト (プライマリ) コントローラだけが存在するので、 [From] ボックスはグレー表示されます。
注意: 定義されたアドレスに対してのみ、読み取りや書き込みを行います。未定義のアドレスの読み取りまたは書き込みは、予期しない動作を引き起こします。
デバッグに役立つ 2 つの仮想インターフェイスがあります。たとえば、あるアドレスから読み出しや書き込みを行うと、他のメモリ領域が変化する可能性があります。インターフェイス 1 を使用したメモリへの書き込み結果を、インターフェイス 2 で追跡できます。
シングル コントローラ システムでは、 [Secondary-Read Data] ボックスはグレー表示になっています。
有効なメモリ アドレス範囲は次のとおりです。
- 0x00000000~0x00003FFF
- 0x11000000~0x11003FFF
- 0x11005000~0x1100AFFF
- 0x1100F000~0x110137FF
- 0x11014000~0x110177FF
- 0x11018000~0x110187FF
- 0x11019000~0x110197FF
- 0x11020000~0x11023A40
- 0x11024000~0x11025FFF
- 0x20000000~0x27FFFFFF
- 0xA7000000~0xA7FFFFFF
- 0xF7FEC000~0xFAFFFFFF
- 0xFFFF0000~0xFFFFFFFF
- [Debugging Trace] ボックスを使用すると、さまざまなデバッグ領域を有効にして、通常動作時に常に出力されるデバッグ メッセージ以外に、詳細なデバッグ情報を DLPC900 UART に報告できます。[Enable debug message] チェックボックスを選択すると、以下に示す個別マスクをそれぞれ有効または無効にできます。
デバッグ マスク - 詳細説明:
- システム情報 - システム初期化、メモリ割り当て、バッチ コマンド実行などのシステム機能に関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- データパス情報 - ビデオ入力、ITE、HDMI、DP 情報、システム状態遷移を処理するためのデータパス初期化など、データパスに関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- プロジェクタ制御情報 - USB および I2C コマンド ポート、コマンド メッセージ ハンドラ、コマンド処理の初期化など、プロジェクタ制御に関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- I2C ハンドラ - I2C 通信インターフェイスに関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- UART ハンドラ - UART 通信インターフェイスに関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- USB ハンドラ - USB 通信インターフェイスに関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- 常時印刷 (デフォルトはオン) - システム、電源投入、照明、メモリの初期化、状態遷移、アプリケーション層でのコマンド処理に関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- メールボックス メッセージ - アプリケーション メールボックス インターフェイスに関するデバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- 環境情報 - 未使用
- PTN 情報 - スプラッシュ イメージの FMT メモリへのロードまたは BMP パターンのロードに関するパターン情報デバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
- PTN デバッグ - シーケンス データベース、選択したシーケンスの情報、シーケンスのエンコードとデコード、パターン パラメータの設定などに関するパターン情報デバッグ メッセージの印刷をイネーブルにします。
デバッグ メッセージが有効になっている場合、 [Get] を押すと、 現在有効になっているマスクが取得されます。必要とするマスクを選択した後、[Set] キーを押すと、 選択したマスクが有効になります。[Debug Mask] テキスト ボックスには、全体のマスク値が 16 進数で表示されます。この値を ファームウェア「電源オン時のデフォルト」セクションで使用して、電源オン時に必要なマスクを有効にしたファームウェアを構築できます。注: [Enable debug message] の選択を解除すると、常に印刷される項目を除くすべてのデバッグ出力がディセーブルになります。
[Max String Length] - デバッグ メッセージに割り当てられた最大文字列サイズを読み取ります。
[Currently Used] - デバッグ メッセージで現在使用されている文字列サイズを読み取ります。
- [Memory Access Batch Files] ボックスを使用すると、高度なデバッグ時に TI が提供できる特別なバッチ ファイルを利用できます。
[Record result] チェック ボックスをオンにすると、提供されたバッチファイルの実行結果を記録します。結果は、バッチ ファイルと同じディレクトリに記録されます。
[Open memory access batch File] ボタンを使用して、提供されているメモリ アクセス バッチファイルに移動します。
[Run memory access batch file] ボタンを使用して、[Open memory access batch File] で選択したバッチファイルを実行します。
- 診断ウィンドウの設定
[Enable] (有効) または [Disable] (無効) ボタンを選択して、診断ログウィンドウを表示または非表示にします。このオプションを有効にすると、図 3-22 に示すように、メイン GUI ウィンドウの下にコマンド ログ ウィンドウが表示され ます。
以下に示すログを利用できます。
- [Enable Projector Control Log] タブを選択します。DLPC900 に送信されたすべてのコマンドとトランザクションのステータスを記録します。DLPC900 の初回電源投入時のシステム初期化およびステータス コマンドを記録します。
- [Enable Command Log] タブを選択します。コマンド名、コマンド ID、送受信されたメッセージ パケット、トランザクションのステータスなどの情報を記録します。
- [Enable Periodic Status Log] を選択すると、[Projector Control] タブに定期ステータス ポーリング コマンドが表示されます。GUI から送信された DLPC900 のメイン、HW、システム ステータス クエリ コマンドを記録します。これは 120 秒間隔で発生します。これをイネーブルにすると、コマンドが送信されるたびにこれらのコマンドが記録されます。これにより、 GUI からの応答が遅くなります。
プロジェクタ制御ログおよびコマンド ログでは、以下に示すオプションを使用できます。
- [Select all] - コピーするために選択したログ タブのすべての内容を選択します。
- [Copy] -選択したログ タブで現在選択されている項目をクリップボードにコピーします。ドラッグ クリックして、コピーしようとするログの必要部分を選択します。
- [Clear All] - 選択したログ タブの現在のエントリをすべてクリアします。
- [Save to File] - 現在選択されているログ タブのエントリをファイルに保存します。