JAJA838A October   2024  – April 2025 ADC3641 , ADC3642 , ADC3643 , ADC3661 , ADC3662 , ADC3663 , ADC3681 , ADC3682 , ADC3683 , LMK04368-EP , LMK04832 , LMK04832-SEP , LMK04832-SP , LMX1204 , LMX1205 , LMX1404-EP , LMX1860-SEP , LMX1906-SP , LMX2571 , LMX2571-EP , LMX2572 , LMX2572LP , LMX2594 , LMX2595 , LMX2615-SP , LMX2694-EP , LMX2694-SEP , LMX2820

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2「位相ノイズ」と「ジッタ」の違いに関する理解
  6. 3位相ノイズまたはジッタが ADC の性能にどのような影響を及ぼすかを理解する
  7. 4クロッキングにおけるトレードオフの理解と、それが ADC の性能に与える影響
  8. 5目的とする ADC 性能を実現するために、クロッキングのトレードオフをどのように適用するかの理解
  9. 6まとめ
  10. 7参考資料
  11.   付録 A:使用する TI 高速コンバータに基づいた TI クロックデバイスの選定
  12. 8改訂履歴

付録 A:使用する TI 高速コンバータに基づいた TI クロックデバイスの選定

TIのクロッキング製品ラインアップは、低消費電力、低位相ノイズ/ジッタ、低コストといった特長を備えた多様な部品を用意しています。ただし、単一のクロックッキングデバイスで最高の性能、消費電力、コストを実現するためには設計上のトレードオフも存在します。高性能デバイスは、消費電流が大きくなり高価になる傾向があります。また、低消費電力デバイスは安価ですが、性能が高くない傾向があります。これらのトレードオフや、豊富なクロッキングおよび高速コンバータ製品ラインアップがあることから、TI は、お使いの高速コンバータに適したクロックを選定する際の指針として 表 8-1 を作成しました。これらは一般的な推奨事項であり、最適なクロックデバイスはアプリケーションの要件によって異なる可能性があることに注意してください。個別のサポートをご希望の場合、E2E にご使用のアプリケーションの要件を投稿してください。

表 8-1 TI の高速コンバータと TI のクロックのペアリング
高速データコンバータ 全体的に最適なクロックのペアリング 優先度別のクロックペアリングのトレードオフ (クロック生成時のみ)
クロック生成 クロック分配 最安コスト 最高性能 最小消費電力 トレードオフ/コメント
ADC12xJ3200
  • 単一コンバータをクロッキングまたは同期させる場合:LMX2820LMX2594、または LMX2572
  • 複数コンバータをクロッキングまたは同期する場合:LMK04832
  • 単一コンバータをクロッキングまたは同期させる場合:LMX1205
  • 複数コンバータをクロッキングまたは同期する場合:LMK04832
LMK04832 LMX2820 LMX2572 クロックの分配:
  • LMK04832:部品サイズは大きいが安価で、合計 14 つの出力を備えている
  • LMX1205:性能は最も優れており部品サイズも小さいが、高価で出力は 4 つのみ
クロックの生成:
  • LMX2572:最小消費電力かつ最安コストだが、性能は劣る
  • LMX2594:コスト、消費電力、性能のバランスが良好
  • LMX2820:最も高価で消費電力も最大だが、性能は最も優れている
ADC12xJ2700
ADC12xJ1600
ADC09xJ1300
ADC09xJ800
ADC12DJ5200RF LMX2820 または LMX2594 LMX1205 LMX2594 LMX2820 LMX2594 LMX2594/LMX2820 + LMX1205 は、組み合わせて、より高いサンプリング周波数で CLK と SYSREF の複数のコピーを作成することができる

  • LMX2594:コスト、消費電力、性能のバランスが良好
  • LMX2820:最も高価で消費電力も最大だが、性能は最も優れている
ADC35xx/ADC36xx
  • 周波数が 328MHz 未満の場合:CDCE6214
  • 周波数が 328MHz~400MHzの場合:LMK3H0102
  • 最高の性能を得る場合:LMX2571
CDCE6214 LMX2571 CDCE6214
  • CDCE6214:最も安価で、小型、最低の消費電力だが、最大出力は 328MHz までで最高の性能ではない
  • LMK3H0102:性能が優れた最小の新型部品でありながら、消費電力が大きくなっている
  • LMX2571:性能が最も優れており消費電力も低いが、サイズが大きく汎用性に欠ける
AFE79xx LMX2820 または LMX2594 LMX1205 LMX2594 LMX2820 LMX2594
  • LMX2594 は一部のアプリケーションや、全体的に良好なクロックペアリングに適しています。
  • LMX2820 は最高の性能を発揮します (特に外部VCOと組み合わせた場合)
ADC3xRF5x/7x LMX2820 (外部 VCO モード使用時) LMX1205 LMX2820 (外部 VCO モード使用時) LMX2820 (外部 VCO モード使用時) LMX2820 (外部 VCO モード使用時) 該当なし
AFE8000 LMX2820 または LMX2594 LMX1205 LMX2594 LMX2820 LMX2594
  • LMX2594 は一部のアプリケーションや、全体的に良好なクロックペアリングに適しています。
  • LMX2820 は最高の性能を発揮します (特に外部VCOと組み合わせた場合)
DAC39RF10
ADC39xx (8 ビット) LMK6P CDC6C LMK6P CDC6C
  • LMK6P:性能は優れているが、サイズが大きく消費電力も高い
  • CDC6C:最小サイズで最小消費電力だが、性能は劣る
ADC39xx (10 ビット) LMK3H0102 LMK3H0102 CDCE6214 CDCE6214
  • CDCE6214:最も安価で、小型、最低の消費電力だが、最大出力は 328MHz までで最高の性能ではない
  • LMK3H0102:性能が優れた最小の新型部品でありながら、消費電力が大きくなっている
ADC3669 LMX2571 または LMK3H0102 CDCE6214 LMX2571 CDCE6214
  • CDCE6214:最も安価で、小型、最低の消費電力だが、最大出力は 328MHz までで最高の性能ではない
  • LMK3H0102:性能が優れた最小の新型部品でありながら、消費電力が大きくなっている
  • LMX2571:性能が最も優れており消費電力も低いが、サイズが大きく汎用性に欠ける