JAJSKX3A December 2020 – May 2022 UCC27289
PRODUCTION DATA
ほとんどのアプリケーションでは、外部ローサイド・パワー MOSFET のボディ・ダイオードが HS ノードをグランドにクランプします。場合によっては、基板の容量とインダクタンスに起因して、HSノードがグランドより数 V 低い電圧まで過渡的にスイングする可能性があり、外部ローサイド MOSFET のボディ・ダイオードがこのスイングをクランプするのが間に合わないこともあります。UCC27289 と組み合わせて使用する場合には、HSノードは、仕様に違反しない限り、またこのセクションで説明した条件に従う限り、グランドを下回る値までスイングできます。
HS は常に HO より低い電位にする必要があります。HO を規定の条件よりも負にすると、寄生トランジスタがアクティブになり、HB 電源から過剰な電流が流れる可能性があります。その結果、デバイスが損傷する可能性があります。LO と VSS についても同じ関係があります。必要に応じて、HO と HS の間、または LO と VSS の間にショットキー・ダイオードを外部に配置することにより、この種の過渡現象からデバイスを保護できます。ダイオードを有効にするために、デバイスのピンのできるだけ近くにダイオードを配置する必要があります。
HB と HS の間の動作電圧は、必ず 16V 以下になっている必要があります。したがって、HS ピンの過渡電圧が -5V になる場合、HBを16V未満に維持するためには、VDD (およびHB) は理想的には 11V に制限されます。通常は、HS が負にスイングする場合、 HB は HS に即座に追従するため、HB と HS の間の電圧はそれほどオーバーシュートしない可能性があります。ゲート・ドライバ・デバイスを適切に動作させるには、HB から HS へ、およびVDD から VSS への低 ESR バイパス・コンデンサが不可欠です。直列インダクタンスを最小限に抑えるため、コンデンサはデバイスのリード直近に配置する必要があります。LO と HO からのピーク電流は非常に大きい可能性があります。バイパス・コンデンサと直列インダクタンスは、デバイスのリードにおいて、電圧リンギングを引き起こします。信頼性の高い動作を実現するには、このリンギングを回避する必要があります。
アプリケーション・ボードの設計やその他の動作パラメータの状況によっては、HS ピンだけでなく入力ピンなど他のピンについても、グランドを下回る方向に過渡的にスイングする場合があります。このような動作条件に対応するために、UCC27289 の入力ピンは、-5V を扱うことができるようになっています。レイアウトやその他の設計上の制約によって、出力 HO および LO でも過渡電圧が発生することがあります。したがって、UCC27289 ゲート・ドライバは、出力ピンで -2V 100ns の過渡電圧を扱うこともできるようになっています。