JAJSJO5C October   2022  – October 2025 LM64440-Q1 , LM64460-Q1

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 説明
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
    1. 5.1 ウェッタブル フランク
    2. 5.2 クリアランスと FMEA のピン配置設計
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 タイミング特性
    7. 6.7 システム特性
    8. 6.8 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  入力電圧範囲 (VIN1、VIN2)
      2. 7.3.2  出力電圧の設定ポイント (FB)
      3. 7.3.3  高精度のイネーブルおよび入力電圧 UVLO EN
      4. 7.3.4  MODE/SYNC の動作
        1. 7.3.4.1 レベル依存の MODE/SYNC 制御
        2. 7.3.4.2 パルス依存の MODE/SYNC ピン制御
      5. 7.3.5  クロックのロック
      6. 7.3.6  パワー グッド モニタ (PGOOD)
      7. 7.3.7  バイアス電源レギュレータ (VCC、BIAS)
      8. 7.3.8  ブートストラップ電圧と UVLO (CBOOT)
      9. 7.3.9  スペクトラム拡散
      10. 7.3.10 ソフトスタートとドロップアウトからの回復
      11. 7.3.11 過電流および短絡保護
      12. 7.3.12 サーマル シャットダウン
      13. 7.3.13 入力電源電流
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 シャットダウンモード
      2. 7.4.2 スタンバイ モード
      3. 7.4.3 アクティブ モード
        1. 7.4.3.1 CCM モード
        2. 7.4.3.2 AUTO モード - 軽負荷動作
          1. 7.4.3.2.1 ダイオード エミュレーション
          2. 7.4.3.2.2 周波数フォールドバック
        3. 7.4.3.3 FPWM モード - 軽負荷動作
        4. 7.4.3.4 最小オン時間 (高入力電圧) での動作
        5. 7.4.3.5 ドロップアウト
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計 1 - 車載用同期整流 6A 降圧レギュレータ、2.1MHz
        1. 8.2.1.1 設計要件
      2. 8.2.2 設計 2 - 車載用同期整流 4A 降圧レギュレータ、2.1MHz
        1. 8.2.2.1 設計要件
        2. 8.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 8.2.2.2.1  WEBENCH® ツールによるカスタム設計
          2. 8.2.2.2.2  出力電圧の設定
          3. 8.2.2.2.3  スイッチング周波数の選択
          4. 8.2.2.2.4  インダクタの選択
          5. 8.2.2.2.5  出力コンデンサの選択
          6. 8.2.2.2.6  入力コンデンサの選択
          7. 8.2.2.2.7  ブートストラップ コンデンサ
          8. 8.2.2.2.8  VCC コンデンサ
          9. 8.2.2.2.9  BIAS 電源の接続
          10. 8.2.2.2.10 フィードフォワード ネットワーク
          11. 8.2.2.2.11 入力電圧 UVLO
        3. 8.2.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 電源に関する推奨事項
    4. 8.4 レイアウト
      1. 8.4.1 レイアウトのガイドライン
        1. 8.4.1.1 熱設計およびレイアウト
      2. 8.4.2 レイアウト例
  10. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイス サポート
      1. 9.1.1 サード・パーティ製品に関する免責事項
      2. 9.1.2 開発サポート
        1. 9.1.2.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
    2. 9.2 ドキュメントのサポート
      1. 9.2.1 関連資料
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 サポート・リソース
    5. 9.5 商標
    6. 9.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 9.7 用語集
  11. 10改訂履歴
  12. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

ソフトスタートとドロップアウトからの回復

本コンバータは、起動中の出力電圧のオーバーシュートと大きな突入電流を防止するため、基準電圧を使ったソフトスタートを採用しています。ソフト スタートは、以下のいずれかの条件によってトリガされます。

  • IC の VIN ピンに電力が供給され、UVLO が解除された。
  • EN ピンが High になり、デバイスがオンになった。
  • ヒカップ待機期間から回復した
  • サーマルシャットダウン保護からの回復

ソフトスタートがトリガされた後、本 IC は以下の動作を実行します。

  • 出力電圧を制御するために本 IC が使用する基準電圧が、ゆっくりと上昇する。その結果、出力電圧が tSS の時間をかけて目的の値の 90% に達します。
  • 動作モードが自動に設定され、ダイオード エミュレーションを有効化する。この動作により、電圧がすでに出力されていても、出力電圧を Low にすることなくプリバイアスで起動できます。

これらの動作を組み合わせることで、突入電流を制限しながら起動でき、また、起動時に、電流制限値に近いピーク インダクタ電流を生じさせる大きな出力コンデンサと重い負荷条件を、ヒカップをトリガすることなく使用できます。図 7-14 を参照してください。

LM64440-Q1 LM64460-Q1 ソフトスタート動作
ソフトスタートは、出力電圧が 0V から始まる場合 (a) と、すでにプリバイアスされた電圧が出力されている場合 (b) の両方で動作します。どちらの場合も、出力電圧はソフトスタート開始から tSS 後、設定点との誤差が 10% 以内の範囲に達する必要があります。ソフトスタート中は FPWM とヒカップは無効化され、出力電圧がレギュレーションに達した後、または tSS2 の時間間隔が経過した後 (いずれか早い方) に、FPWM とヒカップは有効化されます。
図 7-14 ソフトスタート動作

出力電圧の低下が数 % を超えると常に、出力電圧はゆっくり上昇します。この条件はドロップアウトからの回復と呼ばれ、ソフトスタートとは以下の 3 つの重要な点で異なります。

  • 基準電圧は、設定済みの出力電圧を実現するために必要な値よりも約 1% 高い値に設定される。
  • 出力電圧が公称の設定点の 40% 未満である場合、ヒカップが許可される。ドロップアウト レギュレーションの間、ヒカップは禁止されることに注意します。
  • ドロップアウトからの回復中、FPWM モードが許可される。外部電源によって出力電圧が突然プルアップされた場合、コンバータは出力をプルダウンする場合があります。

ドロップアウトからの回復と呼ばれているにもかかわらず、出力電圧が設定点よりも数 % 低くなると常に、この機能が作動します。この動作は主に、以下の条件で発生します。

  • ドロップアウト:目的の出力電圧を維持するのに十分な入力電圧がない場合。
  • 過電流:ヒカップをトリガするほどの大きさではない過電流イベントが発生した場合
LM64440-Q1 LM64460-Q1 ドロップアウトからの回復
出力電圧の低下が、高負荷電流と低入力電圧のどちらによるものであっても、出力がその設定点を下回る原因となっている条件が解消された後、起動時と同じ速度で出力は回復します。ドロップアウトが原因でヒカップがトリガされなかったとしても、128 クロック サイクル以上にわたって出力電圧が出力電圧設定点の 40% を下回った場合、原則として、回復中にヒカップがトリガされます。
図 7-15 ドロップアウトからの回復