JAJU919 December 2023
IPMSM のセンサレス FOC 構造を 図 2-18 に示します。このシステムでは、IPMSM システムのセンサレス制御を実現するために eSMO を使用し、eSMO モデルは、逆起電力モデルとPLL モデルを組合せて、回転子の位置と速度を推定するように設計されています。
IPMSM は、3 相の固定子巻線 (a 軸、b 軸、c 軸) と励起用の永久磁石 (PM) 回転子で構成されています。モーターは、標準的な 3 相インバータによって制御されます。IPMSM は 位相 a-b-c の量を用いてモデル化できます。適切な座標変換を行うことで、PMSM の動的モデルを d-q 回転リファレンス フレームと α-β 固定リファレンス フレームで実現できます。これらのリファレンス フレームは 式 9 のような関係にあります。一般的な PMSM の動的モデルは、d-q 回転リファレンス フレームにおいて次のように記述できます。
ここで、
図 2-19 に示すように逆パーク変換を使用することで、PMSM の動的特性は、式 10 に示すように α-β 固定リファレンス フレームでモデル化できます。
ここで、
式 10 と 式 11 によると、等価変換と EEMF の概念を導入することで、回転子の位置情報はインダクタンス マトリックスから切り離すことができ、その結果、EEMF が回転子の極位置情報を含む唯一の項となります。さらに、EEMF の位相情報をそのまま回転子の位置観測に利用することができます。固定子電流を状態変数として、IPMSM の電圧式 式 10 を状態式に書き換えます。
直接測定できる唯一の物理量は固定子電流であるため、スライディング サーフェスは固定子電流の経路上で選択されます。
ここで、