JAJSPC7B December 2022 – January 2025 ADS131B23
PRODUCTION DATA
ADC1y ΔΣ 変調器のビット ストリームが、デジタル フィルタに供給されます。デジタル フィルタは、線形位相の有限インパルス応答 (FIR)、ローパス sinc3 フィルタであり、ΔΣ 変調器の帯域外量子化ノイズを減衰させます。低分解能、高速変調器の出力は、デジタル フィルタによってデシメーションおよびダウンサンプリングされ、fDATA の出力データレートで高分解能 ADC データを生成します。式 5 に示すように、定義されるデシメーション係数を オーバーサンプリング レート (OSR) と呼びます。
OSR は、デジタル フィルタの変調器の出力に適用される平均化の量、つまりフィルタの帯域幅と変換ノイズを決定します。OSR が高いほど、フィルタ帯域幅が狭くなり、ノイズ性能が向上します。
OSR は OSR1y[2:0] ビットを使用して、64 ~ 8192 の範囲でプログラム可能です。表 7-3 に、ADC1y の OSR 設定、および 8.192 MHz の公称 MCLK 周波数について、sinc3 フィルタの対応する出力データ レート、-3dB の周波数を示します。
| OSR | 出力データ レート (f DATA) | -3dB の周波数 |
|---|---|---|
| 64 | 64kSPS | 16.8 kHz |
| 128 | 32kSPS | 8.4 kHz |
| 256 | 16kSPS | 4.2 kHz |
| 512 | 8kSPS | 2.1 kHz |
| 1024 | 4kSPS | 1.0 kHz |
| 2048 | 2kSPS | 524 Hz |
| 4096 | 1kSPS | 262 Hz |
| 8192 | 500 SPS | 131 Hz |
sinc3 フィルタの周波数応答を、図 7-3 と 図 7-4 に示します。sinc3 フィルタは、fMOD の整数倍を除いて、出力データ レートの整数倍で無限の減衰を行います。すべてのデジタル フィルタと同様に、デジタル フィルタ応答は、変調器の周波数 fMOD の整数倍で繰り返されます。データ レートおよびフィルタ ノッチ周波数は fMOD でスケーリングされます。